2014年12月23日火曜日

読売日本交響楽団第77回みなとみらいホリデー名曲シリーズ

2014-12-23 @みなとみらいホール


レオポルド・ハーガー:指揮
アガ・ミコライ:ソプラノ
林美智子:メゾ・ソプラノ
村上敏明:テノール
妻屋秀和:バス 
新国立劇場合唱団:合唱
三澤 洋史:合唱指揮

読売日本交響楽団

ベートーベン:交響曲第9番ニ短調Op.125 「合唱付」


年末4回目の「第九」。
「年末」と断らなくとも良さそうだが、実は今年は1月にも「第九」を聴いているので、「年末」の4回目。「今年」の5回目。

この時期に集中して何度も同じ曲を聴くのは、いくら楽聖ベートーベンの大傑作でも感激が薄れるか、と思いきやそんな心配は無用だ。オケが違う、コンサートホールが違う、あるいは聴く場所が違うと、それぞれに楽しみがある。

今日の読響は「第九」をP席(舞台後方)で聴くという初めて経験だった。去年も同じみなとみらいホールで定期演奏会として聴いているけど、昨シーズンまでは3階席だったので、ごく普通の聴き方だったが、今シーズンから席を変えてP席にした。これで僕は十分満足しているのだけど、この場所で合唱付きは聴いたことがない。
いや、厳密に言えば、神奈川フィルの定期でホルストの組曲「惑星」で女性コーラスを聴いているけど、この時のコーラスは2階左右のバルコニーに陣取ったので、ちょうどP席はコーラスに挟まれる形だった(この演奏は神秘的で忘れられないものとなった。)。
コーラス隊の真後ろで聴くってどんな感じだろう、という一抹の不安があった。

レオポルド・ハーガーという指揮者は知らない人だけど、まずはテンポがいい。そして細かいところまでニュアンスを引き出そうとしているのが分かった。
第1楽章の途中、再現部か展開部か分からないけど曲想の変わるところで、少しテンポが変わったのは初めて聴く趣向だったが、それ以外は僕の生理的感覚にぴったり合う演奏で、音も素晴らしいし、テンポやダイナミズムも実に心地良かった。

問題の後ろから聴くコーラスもまったく違和感がなかった。

読響はうまい。というべきか、きれいな音だ。
他のオケも時に素晴らしいサウンドを聴かせてくれるけど、読響はまずムラがない。音そのものが美しい。
最大の聴きどころと勝手に思っている第4楽章の低弦のレシタティーヴォも、もったいないくらいに美しかった。
目下のところ、今年の「第九」のベストだ。あと1回あるけど…。


余談:
声楽がどこで登壇するか?シリーズ。
合唱団の規模は全容が見えないので分からないけど多分、日フィルの時と同じくらい(120名?)だろう。
この程度なら着席スペースがあるので、全員冒頭から入った。
問題はソリストだが、やはり、第2楽章が終わったところで入場し着座した。こうでなくちゃ。
そして、第3楽章が終わるや否や、譜面をめくるまもなく間髪入れず第4楽章に怒涛のようになだれ込んだのはうれしい。
この指揮者は本当に僕の好みを知っている!

♪2014-119/♪みなとみらいホール大ホール-51