2014-10-04 @サントリーホール
サントゥ=マティアス・ロウヴァリ:指揮
東京交響楽団
マイケル・バレンボイム:バイオリン
《オール・プロコフィエフ・プログラム》
交響曲 第1番 ニ長調 作品25 「古典交響曲」
ヴァイオリン協奏曲 第2番 ト短調 作品63
バレエ音楽「ロミオとジュリエット」作品64
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アンコール
クライスラー:レシタティーヴォとスケルツォ・カプリース 作品6(Vnソロ)
オール・プロコフィエフ・プログラムだ。
はっきり言って、苦手。
交響的物語「ピーターと狼」のほか、小品の幾つかに面白いと思うものもあるのだけど。
しかし、最近はコンサートの回数が増えた(増やした)ので、プロコフィエフの出番も結構多くなった。
こうして、回数を重ねるとだんだん馴染んでくるはずだけど、何故か波長が合わない。
古典交響曲は、4楽章形式は基本的に古典派に則り、ハイドンが現代に生きていたならこういう感じで作ったであろう(という事情から「古典交響曲」と名付けた。)作品だ。
部分的には確かにハイドンのユーモアを感ずるけど、当然プロコフィエフらしさが漂う。比較的よく耳に入っている曲なので楽しめた。
プロコフィエフはバイオリン協奏曲を2曲書いているけど、1番は聴いた記憶が無く、聴くのは2番ばかり。
出だしの拍子記号は4拍子なのにメロディは5拍子という不思議な形だが、どうやら、ロシア民謡を素材にしているらしい。
ユニークな音型なのでこの冒頭部分を聴いただけで、プロコフィエフの2番と分かる。でも、まだ楽しむという域には至らない。
最後の大曲「ロメジュリ」は、今年3回めだけど毎回曲の構成が異なる。
今日のはプロコフィエフがバレエ音楽から編曲した3つの組曲から、12曲を抽出して構成されていたが、かつてシャルル・ミンシュが57年に録音した際と同様の選曲だそうだから一種の定番かもしれない。
オーケストラは舞台からはみ出そうな大編成で、それだけに繊細かつダイナミックレンジの広いサウンドは実に素晴らしい。
今日の指揮者はサントゥ=マティアス・ロウヴァリ(フィンランド人)、バイオリンのソロはマイケル・バレンボイム(イスラエル人?)で、ともに85年生まれというから28、9歳という若手だ。
ロウヴァリは映画「アマデウス」のアマデウスそのものみたいで、よく動く右手を存分に振り回して、音楽も客席も、堂々とそしてキビキビとコントロールしていた。
音楽そのものは、プロコフィエフにそもそも馴染んでないけど特異なものは感じなかった。
「ロメジュリ」の12曲が終わると、<さあ、これで全曲の終わりですよ、皆さんお疲れさま>といった感じで、指揮棒をポトリと譜面台に落とした。
バレンボイムは落ち着いていて年齢以上の貫禄。さすがにダニエル・バレンボイムの息子だ。いずれ巨匠と呼ばれるようになる可能性を秘めた青年の20歳代の演奏を聴いた、ということが記念になるかな。彼が巨匠になるまで僕が生きておればの話だけど。
♪2014-90/♪サントリーホール-04