2014年7月27日日曜日

横響第656回定期演奏会

2014-07-27 @県立音楽堂


飛永悠佑輝:指揮
横浜交響楽団
河井勇人:バイオリン(2013年第67回全日本学生音楽コンクール小学生の部第1位&横浜市民賞受賞 小学6年生)

①プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」組曲第2番  Op.64から
第1曲モンターギュ家とキャピュレット家
第5曲別れの前のロメオとジュリエット
第7曲ジュリエットの墓の前のロメオ

オーケストラ体験学習
②チャイコフスキー:バレー組曲「眠りの森の美女」Op.66a から「ワルツ」
③シベリウス:交響詩「フィンランディア」 Op.26
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④メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調
⑤ブリテン:青少年のための管弦楽入門 Op.34

アンコール
E.エルガー:「威風堂々」


今日は、演目が盛りだくさんで印象が散漫になった。
おまけにアンコールまであって、いささか食傷気味。

子どもたちの夏休みということもあってか、十数人の子どもたちも一緒に舞台に上がって横響と一緒に2曲演奏したのだけど、どうせやるなら最初は子どもたちだけの室内管弦楽を聴かせ、次に合同で演奏すれば良かったが、最初から最後まで混成部隊じゃどんな演奏レベルなのか分からないし、彼ら自身も張り合いがなかったのではないか。少なくとも聴衆としては物足りなかった。
若い芽を育てる目的ならもっと効果的な方法があったろうに。

今日の第1曲め、月初めにも日フィルで聴いた、プロコフィエフ「ロメオとジュリエット」だが、今回は組曲第2番からの3曲だった。
この第1曲めの冒頭が耳を覆いたいような不協和音の最強音の塊から始まるのだけど、これはとても不快・不安だ。そういう劇的効果を狙っているのだ。
さて、今日の我らが横響は、ピッチのズレがさらに不快・不安を掻き立てるという危うい状態で開幕した。

最後のブリテンは、オーケストラメンバーにとってはある意味過酷な作品だ。
最初と最後は管弦楽でヘンリー・パーセルの主題とフーガが演奏されるが、「管弦楽入門」とあるように、中間部は楽器紹介を兼ねてパートごと、楽器ごとに変奏が続くのだ。
これで、今日の「ロメジュリ」のスーパー”不協和音”を出していた犯人探しをするような気の毒な聴き方もできる。そして、僕は真犯人を特定したのである…。という言い方は、まことに失礼だけど、まあ、今日は調子が出なかったんだなあ。難しい楽器だし…。



でも、残念感の漂う曲間に挟まれた格好のメンデルスゾーンは横響としても一番出来が良かったように思う。

バイオリンソロは河井勇人くん。小学校6年生。
昨年の全日本学生音楽コンクールで小学生の部で1位とともに横浜市民賞受賞したので、今日のステージにソリストとして招かれたのだけど、彼は一昨年も横浜市民賞を受賞しているので、僕は2度の受賞者演奏会や、昨年のコンクール本番でもその演奏は聴いているので驚くこともないけど、コンチェルトを聴くのは初めてだった。
あれで、もっと身体が大きくなったら大きな音も出せるようになるだろう。音楽の深奥に迫ってゆくのだろう。
何年かしたら同じコンクール出身者の千住真理子、竹澤恭子、庄司紗矢香、神尾真由子みたいに才能を世界に羽ばたかせるようになるかもしれないのだ。

盛りだくさんのプログラムに、お腹いっぱいのところ、これは別腹でしょと言うわけか、アンコールが「威風堂々」。
これも弾き慣れた感のある良い演奏だったが、本来客席も盛り上がるような音楽なのに、みんな疲れていたような気がしたよ。

1回の演奏会で曲目が多い場合は、強引でもいいから何か通底する思想で組み立てて欲しかった。
アンコールが聴衆サービスになるとは限らない。

…と、今日は辛口を書いてしまった。
でも、いつも、いろんな曲を安価で聴かせてくれる横響のファンであるも書き添えておこう!

♪2014-73/♪県立音楽堂-11