2024年7月20日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第397回定期演奏会

2024-07-20 @みなとみらいホール



井上道義:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
女声合唱:東京混声合唱団**

松田華音:ピアノ*

シャブリエ:狂詩曲「スペイン」
ドビュッシー:夜想曲**
 Ⅰ雲 / Ⅱ祭 / Ⅲシレーヌ
伊福部昭:ピアノとオーケストラのための「リトミカオスティナータ」*
伊福部昭:日本狂詩曲




ミッキー最後の神奈川フィル。


フランス近代2本と伊福部昭。
なぜこの組合せなのか分からなかったがどれも良かった。
個人的にはショスタコ聴くよりこういう派手なお祭りぽいのが好きだ。
でも、伊福部をメインに据えるなら、前半も伊福部で通すか、一昨年新日フィル聴いた新実徳英「風神・雷神」を組み合わせてくれたら、もっと”狂気”が出たのに、と思った。

第1曲のシャブリエの出来が良くて、今日の快演・怪演を約束してくれた。

このところの猛暑でみなとみらいホールでも響が乾いている。7月に入ってからの大ホールは4回目(N響・日フィル・Pfリサイタル・神フィル)だがいずれも音が硬い。しかし、今日の響は、むしろ今日の音楽にあつらえ向きだった。

伊福部2曲とも初聴き。
どれも面白い。

Pfの松田華音は熱演だったが、ほぼリズムマシン化して、あまりPfが美旋律を歌う場面がなくて、終始、オケに埋もれないように競争・強奏・協奏・狂騒していた。

日本狂詩曲は、話には聞いていた、ロシアのコンクールで優勝し、作曲家への道を歩むことになった記念碑的作品だ。
明・暗ならぬ暗・明の対比も面白いが、とりわけ、後半(第2楽章)のパーカッションの狂乱がハラハラするような面白さ。

ミッキーは、神奈川フィルとも有終の美を飾った。


余談:ドビュッシーの3曲目(シレーヌ)は女声ヴォカリーズが入ったが、2LAの上の普段使われない場所に陣取って歌った。この場所は正式にな何というのか知らないが、3L0と3R0に当たる場所がごく稀に合唱スペースとして使われる。
みなとみらいホールには足繁く通っているが、この場所が前回使われたのを聴いたのは2013年秋の神奈川フィル「惑星」以来だからそろそろ11年ぶりだ。
歌詞のある声楽には向かないかもしれないけど、ヴォカリーズにはとても効果的で、天上からの音楽という効果がある。

金管バンダにももっと使えば面白いのに。

♪2024-103/♪みなとみらいホール-29