2024年7月27日土曜日

フェスタサマーミューザKAWASAKI2024 東京交響楽団 オープニングコンサート 昨年の衝撃を再び! ノットXチャイコフスキーⅡ

2024-07-27 @ミューザ川崎シンフォニーホール



ジョナサン・ノット:指揮
東京交響楽団

チャイコフスキー:交響曲第2番ハ短調 op.17
「ウクライナ(小ロシア)」[1872年初稿版]
チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調 op.74「悲愴」





FSMuzaは十数年欠かしたことがないが、訳あって、オープニングだけは18年を最後にずっとパスしていたが、今年はこだわりを捨て最初から聴くことにした。ノット+東響は1年8月ぶりだ。

それにしても、以前もそうだったが、夏祭のオープニングなのだから、祝祭的な明るくて賑やかな曲をやれば良さそうなものなのに、チャイコの小ロシアと悲愴ってどういう感覚だろう。

第2番小ロシアの初稿版は初めて。
尤も、改訂版の方も耳に馴染むほど聴いている訳ではないので比較はできない。この初稿版も、ウクライナ民謡がふんだんに取り入れられてなぜか郷愁を唆る。

今回の標題は「ウクライナ(小ロシア)」となっていた。ロシア侵攻以前は「小ロシア」だけだったと思うが。

6番か…。
可もなく不可もなく。

♪2024-107/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-05

2024年7月24日水曜日

東京都交響楽団 第1005回 定期演奏会Aシリーズ

2024-07-24 @東京文化会館



アラン・ギルバート:指揮
東京都交響楽団
池松宏:コントラバス(都響首席奏者)*
---------シェエラザード-----------
吉野直子:ハープ**
矢部達哉:バイオリン***

【定期演奏会1000回記念シリーズ⑩】
マグヌス・リンドベルイ:EXPO(2009)
エドゥアルド・トゥビン:コントラバス協奏曲 ETW22(1948)*
リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」Op.35**/***
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アメイジング・グレイス*/**






前半の現代曲2本は初聴き。興味なかったが、予想に反して耳触りが良かった。
コントラバス協奏曲のコンバス。電気拡声付きなのは、コンバス・ソロでは音が明瞭にならないからだそうな。
確かに。
実際に聴いていても、PA付きでさえ低音域は聴きづらい。
やはり、コンバスはVcとOctで演奏してこそ互いを引き立てるんだね。

前半と後半では弦の音がまるきり違うのに驚く。

シェエラザード出だしの弦の美しいこと。
文化会館は元から響の硬い(それがいい!)ホールだが、このところの猛暑でなお一層乾いていたのかもしれないが、文字どおり糸を弾くような原音強めがむしろ美しい。
この響は文化会館や音楽堂のような残響抑えめのホールでこそ味わうことができる。
今日は、文化会館の音の良さを再認識した。

演奏の方も、人身掌握術に長けたギルバートが、都響(正確には各ソロパート)を思い切り歌わせて、大変気持ちの良い音楽になった。

今日の新発見。
●コンバスも座って演奏することがある!
●矢部ちゃんの燕尾服の裏生地のなんと派手なこと!
石田組長もびっくりだろう。
マロさんの裏地も派手だったが、彼は似合うけど。

♪2024-105/♪東京文化会館-06

2024年7月21日日曜日

読売日本交響楽団第136回横浜マチネー名曲シリーズ

2024-07-21 @みなとみらいホール



エリアス・グランディ:指揮
読売日本交響楽団
マリー=アンジュ・グッチ:ピアノ*

ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 作品11*
ブラームス:交響曲第4番ホ短調 作品98
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ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲からカデンツァ*



みなとみらい大ホールに3日連続して通って明らかになったのは、さすがのみなとみらいも猛暑に弱いと言うことだ…と僕が思い込んでいるだけで真相は違うのかもしれないが。

とにかく、乾燥しすぎ。
それは1番にピアノの音に、2番に弦の高域に現れる(3日ともほぼ同じ場所で聴いた。特にピアノは、同じ場所に置かれた同じスタインウェイを聴いた。)。

ピアノは中低域が重くなり、弦は高域がシャリシャリする(サントリーは天候に関わらずもっと残念な響だけど。)。

神奈川フィルでは、さほど感じなかったのは賑やかな音楽ばかりだったからだろう(ミッキー最後の共演とあってか、演奏も気合に満ちていた!)。

今日は、憧れの、バイオリン界の百済観音、日下紗矢子嬢がコンマスだった(いつもながら背筋がまっすぐでボウイングが美しい。)。眼福である。

第一声から疑問を持ったまま、初聴きのグッチ嬢のショパンは、ぼんやりと聴いてしまった。
アンコールが聴き慣れないはずで、ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲からカデンツァだった。
てことは、左手だけで演奏したのか?
これも見逃しているよ。

ブラームス4番。これはまずまずだったが、やはり弦が美しく無い。とてもいつもの読響とは思えない。

全部がホールの鳴りのせいでも無いだろう。
集中できなかった僕にも問題がある。

♪2024-104/♪みなとみらいホール-30

2024年7月20日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第397回定期演奏会

2024-07-20 @みなとみらいホール



井上道義:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
女声合唱:東京混声合唱団**

松田華音:ピアノ*

シャブリエ:狂詩曲「スペイン」
ドビュッシー:夜想曲**
 Ⅰ雲 / Ⅱ祭 / Ⅲシレーヌ
伊福部昭:ピアノとオーケストラのための「リトミカオスティナータ」*
伊福部昭:日本狂詩曲




ミッキー最後の神奈川フィル。


フランス近代2本と伊福部昭。
なぜこの組合せなのか分からなかったがどれも良かった。
個人的にはショスタコ聴くよりこういう派手なお祭りぽいのが好きだ。
でも、伊福部をメインに据えるなら、前半も伊福部で通すか、一昨年新日フィル聴いた新実徳英「風神・雷神」を組み合わせてくれたら、もっと”狂気”が出たのに、と思った。

第1曲のシャブリエの出来が良くて、今日の快演・怪演を約束してくれた。

このところの猛暑でみなとみらいホールでも響が乾いている。7月に入ってからの大ホールは4回目(N響・日フィル・Pfリサイタル・神フィル)だがいずれも音が硬い。しかし、今日の響は、むしろ今日の音楽にあつらえ向きだった。

伊福部2曲とも初聴き。
どれも面白い。

Pfの松田華音は熱演だったが、ほぼリズムマシン化して、あまりPfが美旋律を歌う場面がなくて、終始、オケに埋もれないように競争・強奏・協奏・狂騒していた。

日本狂詩曲は、話には聞いていた、ロシアのコンクールで優勝し、作曲家への道を歩むことになった記念碑的作品だ。
明・暗ならぬ暗・明の対比も面白いが、とりわけ、後半(第2楽章)のパーカッションの狂乱がハラハラするような面白さ。

ミッキーは、神奈川フィルとも有終の美を飾った。


余談:ドビュッシーの3曲目(シレーヌ)は女声ヴォカリーズが入ったが、2LAの上の普段使われない場所に陣取って歌った。この場所は正式にな何というのか知らないが、3L0と3R0に当たる場所がごく稀に合唱スペースとして使われる。
みなとみらいホールには足繁く通っているが、この場所が前回使われたのを聴いたのは2013年秋の神奈川フィル「惑星」以来だからそろそろ11年ぶりだ。
歌詞のある声楽には向かないかもしれないけど、ヴォカリーズにはとても効果的で、天上からの音楽という効果がある。

金管バンダにももっと使えば面白いのに。

♪2024-103/♪みなとみらいホール-29

2024年7月14日日曜日

TBSK管弦楽団 第15回定期演奏会 ”北欧”

2024-07-14 @ミューザ川崎シンフォニーホール



山上紘生:指揮
TBSK管弦楽団

アルヴェーン:スウェーデン狂詩曲第1番『夏至の徹夜祭』作品19
ニールセン:交響曲第5番
シベリウス:交響曲第2番


《️今年から鑑賞減量️》中なので、既に購入済みの定期や年間セット券以外はなるべく追加しないようにしているけど、夏は「シベ2」を聴きたい!
しかも会場は近所のミューザだ。
加えて指揮が山上紘生とあっては、是非聴きたい。
おまけに無料!

という訳で、手ぶらで出かけたが、早めに着いたので眺めの良い席に座れた。

今回は「北欧」がテーマ。
🇸🇪アルヴェーン「~狂詩曲」は初聴きだったが、驚いたよ。「きょうの料理」と同じ?
🇩🇰ニールセン「交響曲5番」も初聴き。近年、彼の作品を聴く機会が増えたが、今のところ何を聴いても面白い。前半終盤のスネアの連打・乱打が印象に残った。

後半、本命の🇫🇮シベリウス「交響曲第2番」。
これが実に良かった。

TBSK管弦楽団を聴くのは2回目。前回も巧いと思ったが、今回はそれ以上。面子の出身母体はバラバラだというが、良くまとまっているし、特に弦がアマチュアとも思えぬ。

今日は、2階席で見通しが良かったせいもあって、各部のやり取りや絡みも手に取るように分かり、とても有益で幸福な体験だった。

今日の新発見は、シベリウスのTimpの使い方の巧さ。管弦楽に実に多種多様な効果を与えていた。

山上紘生のタクトも良かったのだろう。
実演奏時間130分という長尺演奏会だったが、全く緩むことなく、大いに楽しめた。

♪2024-101/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-04

2024年7月12日金曜日

横浜バロック室内合奏団定期演奏会109回 〜イタリアの輝き

2024-07-12 @みなとみらいホール



横浜バロック室内合奏団
 Vn:小笠原伸子*/梅原真希子/藤村陽子/犬飼美奈
 Va:河野理恵子/大本綾子
 Vc:間瀬利雄
 Cb:大西雄二

Cemb:林則子
Pf:堀由紀子**


モーツァルト:ディベルティメントニ長調 K136
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466**
ビバルディ:バイオリン協奏曲集「四季」Op.8,Nos.1-4*

----アンコール-----------------
モーツァルト:幻想曲ニ短調 K397*
ボッケリーニ:メヌエット



毎年、この回は「イタリアの輝き」と称してイタリアバロック…かといえば必ずしもそうではなく、時々モーツァルトも混ざる。
しかし、今日のコンサートは非常に満足度の高いものだった。

メンバーは弦が2-2-2-1-1の8人にピアノ協奏曲は当然ピアノが、四季はチェンバロが加わった。
冒頭のモツ・喜遊曲のみ、弦楽8重奏だった。

そのアンサンブルのきれいなこと。

このところの猛暑で流石のみなとみらいホールも先日来響が乾燥していたが、今日はお湿りがあったせいか、潤いがある。
そこにピアノが加わってモツ20番の何と麗しい。

最近、弦5重奏とピアノを聴く機会が多かったが、これはこれで良い。しかし、弦8重奏で聴くと一段と音楽が立体的で、両者の駆け引きや協調が目の前で手に取るように繰り広げられて悦楽の気分。

耳タコの四季も、今日はとても素直に聴くことができた。

余談:今日の鑑賞が今年のちょうど100回目。
昨年は6月6日だったからほぼ1月遅いペース。
昨年の今日は122回目だったから18%の減少率だ。
秋以降、もっと鑑賞減量する予定。

♪2024-100/♪みなとみらいホール-27

2024年7月10日水曜日

新国立劇場オペラ「トスカ」

2024-07-10 @新国立劇場



【指揮】マウリツィオ・ベニーニ
【演出】アントネッロ・マダウ=ディアツ
【美術】川口直次
【衣裳】ピエール・ルチアーノ・カヴァッロッティ
【照明】奥畑康夫

【合唱】新国立劇場合唱団
【児童合唱】TOKYO FM少年合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

トスカ⇒ジョイス・エル=コーリー
カヴァラドッシ⇒テオドール・イリンカイ
スカルピア⇒青山貴
(ニカラズ・ラグヴィラーヴァの代役)
アンジェロッティ⇒妻屋秀和
スポレッタ⇒糸賀修平
シャルローネ⇒大塚博章
堂守⇒志村文彦
看守⇒龍進一郎
羊飼い⇒前川依子

ジャコモ・プッチーニ:歌劇「トスカ」
全3幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約2時間55分
第Ⅰ幕
 50分
 --休憩25分--
第Ⅱ幕
 45分
 --休憩25分--
第Ⅲ幕
 30分







東フィル・冒頭のブラスが美しくて、それだけでまずは惹き込まれた。

…と気持ちよくスタートしたが、物語が始まると、過去何度も新国立劇場版を観ているが、これまで気が付かなかったのか、今回独自の演出なのか?堂守の演技に違和感を持った。片足を引き摺っている。なぜ、障がい者の役にする必要があるのか?この意味不明の安易な姿勢に出鼻を挫かれた。

それ以外は、いつも満足度が高い。
(放送・録画を含め)いろんな「トスカ」を観てきたが、舞台装置の立派さは新国版に及ぶものはないと思う。

全幕豪勢だが、特に1幕終盤の「テ・デウム」のシーンは圧倒的だ。同じ新国の「アイーダ」2幕より好きだ。新国版「アイーダ」は全篇紗幕の中で進行するという訳の分からない演出(ゼッフィレッリ)が大嫌い!

今回に限っては、トスカ役ジョイス・エル=コーリーが美形でトスカにハマり役だった。
カヴァラドッシのテオドール・イリンカイは前に「トゥーランドット」で聴いているが、今回も良かった。

特筆は、N.ラグヴィラーヴァの代役でスカルピアを歌った青山貴かな。海外勢に引けを取らない憎々しげで堂々たる演唱だった。

つまり、堂守の演技プランはBooだがそれを除けば、すべて水準以上で満足できたのだけど、アンジェロッティ役の妻屋秀和氏がTwitterでBooが入ったと嘆いていたが、僕には聞こえなかったなあ。

本作で今季は完了だ。
今季は「シモン・ボッカネグラ」、「エフゲニー・オネーギン」、「トリスタンとイゾルデ」、「コジ・ファン・トゥッテ」と1本おきに秀作が続き「トスカ」が有終の美を飾った。

♪2024-099/♪新国立劇場-09

2024年7月7日日曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第399回横浜定期演奏会

2024-07-07 @みなとみらいホール



鈴木優人:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
上野耕平:サクソフォン*

トマジ:バラード サクソフォンと管弦楽のための*
ピアソラ(啼鵬編曲):
《エスクアロ(鮫)》*/《オブリビオン(忘却)》*/《リベルタンゴ》*

ベートーべン:交響曲第7番イ長調 op.92
-----------------
ボノー:ワルツ形式のカプリス*






前半のサックス協奏曲風の2曲には全然興味を惹かれず。

後半のベト7も先月2回も聴いて、いくら名曲でも耳タコ感があって、あまり入り込めなかった。

加えて、(昨日のN響の時も同様)炎天下のためか、名ホールも音に潤いが不足していた。
高域弦のシャリシャリ音が気になったが、テンポの良い終楽章はむしろその渇いた感じが嵌って、小気味良い疾走するベートーベンになった。

2024-098/♪みなとみらいホール-26

2024年7月4日木曜日

東京都交響楽団 第1003回 定期演奏会Bシリーズ

2024-07-04 @サントリーホール



ヤクブ・フルシャ:指揮
東京都交響楽団
五明佳廉:バイオリン*

【定期演奏会1000回記念シリーズ⑧】
【ブルックナー生誕200年記念】

ブルッフ:バイオリン協奏曲第1番ト短調 op.26*
ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調 WAB104「ロマンティック」(コーストヴェット:1878/80年)
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ピアソラ:タンゴ・エチュード第3番*



フルシャは都響の首席客演指揮者だったから、都響との組み合わせが一番多く、ほかにN響が数回。
まあ、大体いつも良い感じで聴いていた。

都響Bは前回=正真正銘の1000回記念が、インバルでブルックナーの9番。これがブルマラ嫌いの僕にも聴きごたえのある良い演奏だったが、これに比べると、今日の4番はいつもの都響らしい賑やかな演奏だったな、くらいの印象だった。

よほど、見事なアンサンブルで引き込んでくれないと、時々登場する安っぽいドラマの劇伴みたいなフレーズに聴いていても恥ずかしくなる。

五明佳廉は22年秋以来で、その時も都響だったが、良い印象が持てなかった。本日も、なんであんなにスカートのスリットが長いのだ、と見た目が先ず気になって集中できず。
芸術鑑賞はまこと人間修行だな。

♪2024-096/♪サントリーホール-15