2018年6月8日金曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第338回横浜定期演奏会

2018-06-08 @みなとみらいホール


ピエタリ・インキネン:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団

川久保賜紀:バイオリン*

【オール・メンデルスゾーン・プログラム】
演奏会用序曲「フィンガルの洞窟」ロ短調 作品26
バイオリン協奏曲ホ短調 作品64*
劇音楽「真夏の夜の夢」作品61から
 序曲/スケルツォ/間奏曲/夜想曲/結婚行進曲
---------------
アンコール
J.S.バッハ:無伴奏バイオリン組曲第2番ニ短調 BWV1004から第3曲サラバンド*
メンデルスゾーン:「無言歌集」作品30から「ヴェネツィアの舟歌」管弦楽版

オール・メンデルスゾーン・プログラム。
これでバイオリンのアンコールがメンデルスゾーンであれば完璧だったが、でも、彼はバイオリンの無伴奏は作っていないはずだから、やむを得ないね。


フィンガルの洞窟は管と弦がうまく噛み合っていない感じだったな。
弦について言えば、だんだん良く鳴る法華の太鼓で、後半うんと良くなった。メンコン(メンデルスゾーン・バイオリン・コンチェルト)では、独奏の陰で、弦楽合奏があまり出しゃばらないのだけど、良い感じだった。尤も肝心の独奏は全然楽しめなかったが。

真夏の夜の夢での弦楽アンサンブルは実に耳に心地良い。少しシャリシャリ感もあったが、広域のキンキン音よりずっといい。管は何箇所か残念なミスがあった。

最近の日フィルの弦はかなり高水準で満足できるのが楽しみだ。

さて、問題はメンコンだ。
Vnは川久保賜紀。出だしの音楽が違う。それはメンデルスゾーンじゃないっ!と言う感じが最後まで払拭できなかった。音はすごくきれいだし、独奏者として音圧も十分。
なのに、気持ちが乗れないのは、表情が堅いからではないか。どうも、教本どおりだが、未だ、自分の音楽になっていない、そこまでこなれていない、という感じで、それはアンコールのバッハで更に極端に表れて、まだ仕上がっていないものを聴かされた感じだった。

5月20日、同じ場所で聴いたクロエ・ハンスリップ+読響のメンコンの味わい深さに比べるとこちらは砂を噛むような音楽だった。

オケもアンコールがあって、メンデルスゾーンの無言歌から作品30の「船歌」のオーケストラ版だったのが洒落ていたね。無言歌集の中で3曲ある「舟歌」の中でも一番有名でそれだけに馴染んでいるし、素直に美しい。

終演後インキネンを囲んで
♪2018-065/♪みなとみらいホール-17