2015年3月1日日曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団特別演奏会 チャイコフスキー、勝利と歓喜のシンフォニー

2015-03-01 @ミューザ川崎シンフォニーホール


川瀬賢太郎(常任指揮者)
郷古廉:バイオリン
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

チャイコフスキー:バイオリン協奏曲ニ長調 Op.35
チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調 Op.64
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アンコール
イザイ:無伴奏バイオリン・ソナタ第2番から第2楽章メランコリア(バイオリン独奏)
チャイコフスキー:交響曲第4番第3楽章


このプログラムは、曲目も指揮者もソリストも次の神奈川フィル(県民ホール)定期演奏会とまったく同じで、コンサートホールが今回はミューザだという違いだけだ。
それでもチケットを買ったのは、神奈川フィルとミューザの組合わせが案外少ないから。
そりゃそうだよなあ。
みなとみらいホール、音楽堂、県民ホールと横浜市内の主要な3つのホールでそれぞれ定期演奏会をやっているのだから何もミューザでやることはないもの。

さて、チャイコのバイオリン協奏曲のソリストは郷古廉(ごうこ・すなお)。93年12月生まれというからまだ21歳か。
ソリストで登場してくる人は大抵ナントカコンクール優勝経歴の持ち主だから腕前の方は立派なものだ。
堂々として、ダイナミックで、テクニックもすごいし繊細な泣き節もあって聴き惚れた。

メインの交響曲は、かなり密度の高い演奏だった。
曲の出だしって本当に難しい。
こう言っちゃ悪いけど、神奈川フィルはN響のような安心感を与えてくれないのが残念というか(スリルがあっていいとも言えるけど)、いつも今日はどうかな?という思いで第1声を聴くのだけど、今日は、協奏曲でも交響曲でも問題のないスタートを切って、かなり密度の高い演奏が続いた。

もっとも、第2楽章のホルンの聞かせどころ。ここが不安的中だった。アマチュアじゃないのだからビシッと決めてほしい。
一度そういう部分があると、それまでがっしりと構築できていた緊張と構成感が崩れてしまうのが残念で、気持ちを取り戻すのにしばし時間がかかってしまう。

でも、総じて、細かいニュアンスを表現しようとしていることが伝わってきて、川瀬賢太郎の音楽、神奈川フィルの音楽作りといったものを感ずることができた。

若い指揮者だから当然かもしれないけど、奇をてらうこと無く正統的な音楽を再現しようとしているように思えて好感。


♪2015-18/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-04