2015年3月14日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第305回横浜定期演奏会

2015-03-14 @みなとみらいホール


アレクサンドル・ラザレフ:首席指揮者
日本フィルハーモニー交響楽団

チャイコフスキー:バレエ音楽《眠れる森の美女》(ラザレフ版)
ムソルグスキー(ラヴェル編曲):組曲《展覧会の絵》
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アンコール
E.エルガー:「子どもと魔法の杖」からⅦ野生のくま


昨日のコンサートは難解で眠りたくなったが、今日は耳に優しい曲ばかりでむしろ心地よくて眠りそうになった。

「眠れる森の美女」はバレエ音楽《眠れる森の美女》から指揮者のラザレフが8曲を選んで組曲化したもの。

初めて聴くような曲もあったが「ワルツ」のように超有名曲も混じっており、全体にチャイコフスキーの名調子で溢れている。

このバレエ音楽の組曲化について蘊蓄を傾けると、チャイコフスキーの3大バレー(「白鳥の湖」、「くるみ割り人形」、「眠れる森の美女」)のうち、チャイコフスキー自身がバレエ音楽から演奏会用に組曲化したものは組曲「くるみ割り人形」だけで、「白鳥の湖」と「眠れる森の美女」の組曲化はその都度いろんな指揮者が適宜選んで編成しているようだ。
ほとんど、組曲と称しているが要するに抜粋版であり、カラヤン版もムーティ版もレヴァイン版も5曲で構成されているが、中にはオーマンディー版のように26曲も含まれているものもある。

ラザレフの選んだ8曲は以下のとおり。
①序奏とリラの精
②パ・ドゥ・カトル(宝石の精たちの踊り)
③長靴をはいた猫と白い猫
④パ・ドゥ・カトル(4人の踊り)
⑤グラン・パ・ド・ドゥ…アダージョ
⑥パノラマ
⑦ワルツ
⑧アダージョ…パ・ダクシオン


続いて「展覧会の絵」。
これはいろんな編曲版があるが、今日は最もオーソドックスなラベルのオーケストレーションだ。
全10曲に5曲のプロムナードが付いている。

最初のプロムナードはトランペットソロから始まる金管ファンファーレで、これが上手だった。いや、プロだから当然だけど、実に気持ちのよい音がストレートに届いてくる。
この曲はオーケストレーションの見本というかデパートというか、多彩な楽器を使いこなして管弦楽の楽しさを満喫できる。
ほぼ完璧な出来で印象に残る演奏だった。

指揮のラザレフはいつもそうだけど、演奏が終わると大はしゃぎで可愛らしいところがある。オーケストラ団員を一生懸命に持ち上げ、観客に感謝を表し、最後は楽譜を持ち上げてこの音楽に感謝と言っているのだろうか。
オーケストラの団員も観客もついつい微笑ましくて拍手喝采だ。こういう観客サービスは感じがいい。


♪2015-24/♪みなとみらいホール-10