2014年2月16日日曜日

横浜室内管弦楽団 第48回演奏会

2014-02-16 @神奈川県立音楽堂


●ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲
●シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 作品129
●シベリウス:交響曲第2番 ニ長調 作品43
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アンコール
●シベリウス:アンダンテフェスティーヴォ(弦楽合奏とティンパニーのための)

チェロ:川井真由美(東京交響楽団フォアシュピーラー)
笠原勝二 指揮 横浜室内管弦楽団

まだ、雪は残っていたが、昨日のような交通機関の乱れも収まったようで、大勢の聴衆が集まった。
年に1回の定期演奏会なので、関係者がこの時を逃しては義理を欠く!と駆けつけたのだろう(ジョークですよ)。

このオーケストラのこともよく知らない。とにかく、横浜にはアマオケが非常に数が多いので、大抵知らない。

この日に何の予定も入っておらず、演奏会場とプログラムが良かったので聴きに行くことにした。

チラシによれば、県立平沼高校の管弦楽部のOBを主体に結成されたオケらしい。平沼高校といえば岸恵子や草笛光子などの母校だ。まあ、これはどうでもいいことだけど。

1曲めが「オベロン」序曲で、その初っ端のホルンの音がひっくり返った。これはよくあることだが、全体的にも出来がイマイチだった。

2曲め。
これを楽しみにしていたのだ。シューマンのチェロ協奏曲。
ソリストは東響の次席チェリスト川井嬢。まだ若くて可愛らしいがさすがにプロだ。弦をバリバリと震わせていた。
オケの方もリハーサル代わりの1曲めでだいぶほぐれてきたか、なかなか良い出来だった。
彼のピアノ協奏曲と同じくイ短調。
冒頭からメランコリーが押し寄せてくる。
協奏曲の常道である三楽章形式だけど、実は全楽章が切れ目なく演奏される。そもそも切れ目なく作曲してあるので、約24分間が緊張の連続。
「疾風怒濤」の時代はハイドンが活躍していた頃だそうだが、ハイドンにはちっとも「疾風怒濤」を感じないのにシューマンの音楽こそふさわしいような気がする。


3曲めはシベリウスの第2番。7曲(+1)ある交響曲の中では群を抜いてポピュラーな作品でバイオリン協奏曲と並んで好きな曲だ。聴く機会が多いからますます馴染んで好ましくなる。この曲は僕もアマオケ時代に弾いたことがある。

しかし、この曲の出来具合はちょいと残念だった。
金管も木管も大活躍するのだけど、この管楽器の調子がイマイチだ。
確かに、弦楽器と異なって、彼らは一人ひとりが絶対に手抜きできないのだ。
弦は、五部のどのパートも最低五人程度(コントラバス)から十数人で構成され、原則として同じ楽譜を演奏するので、腕に自信のない部分は弾いたふりをしてごまかすこともできるし、そのほうが響を乱さなくてむしろ歓迎される。
管楽器はそれができない。
ここ!と指定された場所では一発で音を決めなくてはならないから厳しい。

アンコールが初めて聴く曲だった。
シベリウスの作品は何を聴いてもたいてい「シベリウス印」が耳につくのだけど、「アンダンテフェスティーヴォ」に限ってはまるで別人の作品のような気がして、これはシベリウスの再発見だった。
そして、この最後の曲の出来の良いこと!
なぜなら弦楽合奏とティンパニーだけだったから。
管楽器の諸君!まあ、次回はがんばってください。

♪2014-16♪県立音楽堂-04