2024年6月30日日曜日

読売日本交響楽団第134回横浜マチネー名曲シリーズ

2024-06-30 @みなとみらいホール



マキシム・パスカル:指揮
読売日本交響楽団
村治佳織:ギター*
北村貴子:オーボエ・ダモーレ**

ハイドン:交響曲第22番変ホ長調「哲学者」
ビバルディ:「四季」から"春"(ギター独奏)*
武満徹:「虹へ向かって、パルマ」* **
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」
------------------------
アーレン(武満徹編):オーバー・ザ・レインボー*



読響のプログラムには曲目の解説はあってもその日の番組ポリシーが書いてないの(書いてあるオケにしてもコジツケとしか思えないような内容であることが多いが。)で、はて、と首を傾げることが少なくない。

ハイドン〜ビバルディ〜武満徹〜ストラビンスキーは一体なんなの?特にハイドンが分からん。

ま、コンセプトは分からなかったが、演奏が悪い訳ではなく、ハイドン22番は、生では多分初めて聴いたと思う。
弦は10型?(10-8-6-4-3)に木管がオーボエの代わりにイングリッシュ・ホルン2、ファゴット、ホルン2、チェンバロという小型で、変わった編成だった。
終始、弦がナヨナヨと鳴っていた印象が残っている。

次のビバルディの四季から「春」だが、バイオリン独奏に代えてギターだ。
オケにギターは実に相性が悪い。音量の圧倒的な差があるので、ギターは埋もれてしまう。それを避けるためか奏者の側に小型のスピーカーが配置されるのが通例だけど、これがなんのためかはっきりしない。奏者や指揮者のためのモニターとしては役に立っているのだと思うが、客席に拡声して聴かせるにはほとんど音は届かない。隔靴掻痒だ。

ギター協奏曲をやるなら、エレキを使うか、もっと大掛かりな拡声装置を使わないと2000人のホールでは無理だよ。

武満の作品では、初めからギターとオーボエ・ダモーレの独奏を前提に作曲されているので、ビバルディに比べるとだいぶマシだった。

メインは「ハルサイ」。
ま、やっと、ここに来て楽しめたよ。

♪2024-095/♪みなとみらいホール-24

2024年6月28日金曜日

お仕事終わりに ワンコインコンサートVOL.1 〜箕輪安佑子 & 山本樹生〜

2024-06-28 @かなっくホール




箕輪安佑子:バイオリン
山本樹生:ピアノ

ラフマニノフ(クライスラー編):
 パガニーニの主題による狂詩曲第18変奏
クライスラー:愛の喜び
クライスラー:愛の悲しみ
モーツァルト:バイオリンソナタ第18番ト長調 K.301
マスネ:タイスの瞑想曲
クライスラー:ドボルザークの主題によるスラヴ幻想曲
千と千尋の神隠しメドレー
ディズニーメドレー

:チャルダッシュ
------------------------
クライスラー編:ダニーボーイ



今季から始まった「ワンコインコンサート」。500円だ。
実は10年以上前にもこのシリーズがあって、大宮臨太郎くんとか日高剛名人のリサイタルなどを聴いたよ。

今日の奏者はVnもPfも初聴きだ。若い。
昨日、徳永二男のリサイタルを聴いたばかりで、重なる曲もあって、第2部を聴いているような感じがした。

昨日は大ホールだがかぶりつき。
今日も、小ホールでかぶりつき。
VnもPfもとても生々しく、特に最近のかなっくホールの響の良いこと!
「雨の日はホールが良く鳴る」の原則もドンピシャだったのかな。

Vn、Pfとも実に美しく上出来だった。

が、今日も、わずかに音程の甘さが気にはなったけど。

♪2024-093/♪かなっくホール-03

2024年6月27日木曜日

横浜アンサンブルワンダーランド Vol.2 ~日本フィル・クラリネットセクションによる室内楽~

2024-06-27 @みなとみらいホール



JPO Quatre Homme plus
[クラリネット四重奏]
 伊藤寛隆(首席奏者)
 楠木慶(副首席奏者)
 照沼夢輝
 堂面宏起

●第一部 コンサート
グランドマン:クラリネットのためのカプリス
ヘンリー:バードウォッチング
ラヴェル(杉本哲也編曲):クープランの墓
チャイコフスキー(杉本哲也編曲):幻想序曲《ロメオとジュリエット》

●第二部 ライブトークショー
ここでしか聞けないスペシャルトーク
------------------------
チャイコフスキー:弦楽セレナーデからワルツ



日フィルの定期会員向けサービスコンサート?の2回目。

クラリネット4本が登場するとは承知していたが、ソプラノ~バスなど音域の異なる3~4本のアンサンブルだと思っていたが、なんと、全員B♭管(?)だ。

これで、うまくいくの?
…と思ったが、まず、音がきれい。同種楽器なのでユニゾンも和音もきれい。この「音を聴く」面白さがある。
そして、同種類の楽器なのに、結構低域から高域までカバーしていて、アンサンブルが成立しているのだ。

バスもリズムも4人に割り振って違和感がない。

最後の、チャイコのロメジュリの最後の音。
原曲もユニゾンで終わるのかどうか知らないけど、今回の編曲では4本のユニゾンの長音で終わった。
これが見事で、まるで1本の楽器のように聴こえたので驚いた。
編曲も上手いがやはり演奏技術が巧みなんだ。

第二部はメンバー紹介やら、プレゼントやら、最後に全員記念撮影。その写真どうするのかなと思っていたがTwitterで披露してあった。もちろん僕も写っているのだが、爺くさい。

♪2024-092/♪みなとみらいホール-23

みなとみらいアフタヌーンコンサート2024前期 ≪バイオリン名曲の旅≫徳永二男 バイオリン・リサイタル

2024-06-27 @みなとみらいホール



徳永二男:バイオリン
坂野伊都子:ピアノ

ヴィターリ:シャコンヌ
フランク:バイオリン・ソナタ
サン=サーンス:ハバネラ
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリツィオーソ
チャイコフスキー:メディテーション
ヴィエニャフスキ:ポロネーズ第1番
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
-----------------------
マスネ:タイスの瞑想曲
マリア・テレジア・フォン・パラディス:シチリアーノ
モンティ:チャルダッシュ



徳永二男を特に好んで聴いている訳ではないけど、アフタヌーン・シリーズではもう3回目だし、単独のリサイタルもピアニストの方に魅力を感じて聴きに行くこともあり、熟練男性バイオリニストとしてはよく聴いている方だ。

ただ、19年までのリサイタルでは感じなかったが、この年以降は毎回音程が甘いように思う。そういう思いで聴いているとますますそんな気がしてくる。

それは彼の衰えなのか(今年喜寿)、そんなことにこだわらない音楽性の発展途上なのか、単に僕の耳が衰えてきたのか。

ま、気にしないでおけば瞬間に通り過ぎてゆくような微細な瑕疵で、おおらかな気持ちで聴いておればいいのだけど。

そんな構えでおれば、今日のプログラムは副題に「名曲の旅」とあったように、まさしく、大ホールリサタルの定番のような名曲揃いてとても楽しめた。

この手のリサイタルだとピアノの独奏を挟んだりするものだけど、超絶技巧も多いプログラム全曲に登場して、大サービス。

N響時代はおっかない顔付きで、話も聴いたことがなかったが、リサイタルでは案外の好人物ぶりで親しみが持てる。


2024-091/♪みなとみらいホール-22

2024年6月24日月曜日

東京フィル第1001回サントリー定期シリーズ

2024-06-24 @サントリーホール



チョン・ミョンフン:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団
務川慧悟:ピアノ
原田節:オンド・マルトノ

メシアン:トゥーランガリラ交響曲
(トゥランガリーラ交響曲とも)



前回の「カル・ブラ」に続き今回も大ヒット!

「トゥラガリ」は6年5月前の都響に続き2回目。長くクラシックを聴いていてもわずか2回目!

初聴きだった前回も、存外楽しめたが、今日の東フィルの出来は段違いに良かった。

①演奏技術の確かさ。アンサンブルの正確さ。これはチョン・ミョンフンの功績もあるかな。

②今日のサントリーの響の良さが信じられない。
こういう響は5年か10年に一度遭遇するといった感じだ。
それはオケの管弦の交わりの美しさとピアノの響に特によく表れていた。

首都圏最悪のホール、特にピアノの音はトイ・ピアノのような音だと大抵こき下ろしているが、今日のピアノはSTW本来の煌めきがあった(低域はイマイチではあったが)。

どうして?
お客の入り、ホールの乾燥の具合なども関係するだろうが、舞台上手前方にオンマルのスピーカー群が並んだ為に、ピアノは普段の定位置より少し下手寄りだった(指揮台も)。
それによって幸いにも舞台の《最悪のツボ》を外れたのではないか?

③音楽自体、美しくもないし、大して面白くもないのだけど、あれだけ、多種・多量の楽器を鳴らしながら、不快な場面が一度もない。これはメシアンのオーケストレーションの見事さだなあ、と感じ入ったり。

今日の小発見:
ピアノは協奏曲の時と同じ配置だが、今日はその後ろにチェレスタともう一台小型鍵盤楽器が使われた。
あれは何か?編成表にもそれらしいものは見当たらない。

事務局の女性に聞いたら、「ジュ・ドゥ・タンブル」だという。え〜!初耳だぞ!
機能としては「鍵盤グロッケンシュピール」だった。
実際は、この「トゥラガリ」以外にも「魔笛・ダフニスとクロエ・海・マラ7・トゥーランドット」などにも使われているそうだから、当然何度も聴いているのだけど、グロッケンシュピールで代用されていたのかもしれない。

この2台の鍵盤楽器がピアノとユニゾンで旋律を担当する場面が少なからず。その為にピアノが一層煌めいたのかもしれないのだが。

合戦シーンばかり続く映画のバックミュージックのような軽い音楽だが、管弦楽の魅力に溢れている。そして、実に見事な演奏だった。あっぱれ東フィル!


♪2024-090/♪サントリーホール-14

2024年6月22日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第396回定期演奏会

2024-06-22 @みなとみらいホール



小泉和裕:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

ベートーべン:「エグモント」序曲 作品84
ベートーべン:交響曲第4番変ロ長調 作品60
ベートーべン:交響曲第7番イ長調 作品92



ベートーベンの交響曲を誰の指揮で一番多く聴いているかと言えば、今日の小泉さんだ。
完全記録のあるこの10年半で12回。
広上さんが11回とほぼ拮抗している。
しかし広上さんは5つのオケにわたっているが、小泉さんの場合は神奈川フィル8回、都響4回と固まっている。

極端な言い方をすれば、昔はともかく、近年の僕のベートーベン交響曲体験は、ほぼ、小泉さんの振る神奈川フィルが核となっている。そして、満遍なく聴いているけど1番だけは聴いていない。お互いが元気なうちに1番も聴いてチクルスを完成させたいね。

そんな事情もあって、この人のベートーベンは安心できる。
もとより、何を振っても外連のない王道の音楽だと思っているが、とりわけ、ベートーベンにはそんな気がする。

今日は、そのベートーベンのみ3本立てで、いずれも良い出来だったと思う。中低域の弦がユニゾンで美しい旋律を奏でる場所が多いが、とても良かった。強いて言うなら管の一部に乱れがあったが、許容範囲だ。

♪2024-089/♪みなとみらいホール-21

2024年6月21日金曜日

新日本フィル:すみだクラシックへの扉#24

2024-06-21 @すみだトリフォニーホール



ヤデル・ビニャミーニ:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
小曽根真:ピアノ*

ガーシュウィン(ベネット編):交響的絵画「ポーギーとベス」から
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー*

:ダンソン・ヌメロ・ドス
ガーシュウィン:子守歌
ガーシュウィン:パリのアメリカ人
---------------------------
MO'S NAP*
ポンキエッリ:歌劇「ラ・ジョコンダ」から「時の踊り」


何度も聴いている曲も初めての曲(ダンソン・ヌメロ・ドス/子守歌)も親しみやすくて気楽に楽しめたし、今日も新日フィルは水準の高い演奏だった。

小曽根真のオケ伴曲は何度も聴いているが、ほとんどが、純粋なクラシックで、彼のラプソを聴いたのは初めて。やはり水を得た魚というか、こういうジャンルの方が好き放題に弾けるのではないか。そんな様子だった。

2024-088/♪すみだトリフォニーホール-05