2017年5月6日土曜日

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017 No.326 〜上原彩子、チャイコフスキーを弾く

2017-05-06 @東京国際フォーラムB7


上原彩子:ピアノ

チャイコフスキー:ワルツ 嬰ヘ短調 op.40-9
チャイコフスキー:ワルツ・スケルツォ第1番 op.7
チャイコフスキー:ドゥムカ op.59
チャイコフスキー(プレトニョフ/上原彩子編):「くるみ割り人形」op.71から
 序曲**
 クララとくるみ割り人形**
 戦闘(ねずみと兵隊の戦い)**
 間奏曲(冬の樅の森)*
 スペインの踊り(チョコレート)**
 中国の踊り(お茶)*
 トレパック(ロシアの踊り)*
 花のワルツ**

*はプレトニョフによる編曲
**は上原彩子による編曲

上原彩子、入魂のチャイコが我が熱狂の日の掉尾を飾った。華麗・繊細にしてド迫力。

前にも「花のワルツ」など彼女自身が編曲した作品を聴いた事があったので驚きは無いとはいえ、技術の限界に挑むような編曲の才能とそれを弾きこなす能力に感服。
気迫に溢れた演奏スタイルに思わず襟を正して惹き込まれてしまう。


♪2017-77/♪東京国際フォーラム-11

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017 No.325 〜ピアノ・トリオ「大公」

2017-05-06 @東京国際フォーラムB7


テディ・パパヴラミ (バイオリン)
グザヴィエ・フィリップ (チェロ)
フランソワ=フレデリック・ギィ (ピアノ)

ベートーベン:ピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調 op.97「大公」

既に難聴が酷くなっていたベト自身がPfを受け持って初演したが出来が悪くその後公の場での演奏を辞めたそうだ。

殆ど聴こえなくなっていた人の作曲とは思えない各パートの精緻な絡み合い、堂々たる風格は大公の名に相応しい。こんな作品を遺されたんじゃ後世の作曲家は苦労したろう。
昨日のラヴェルも乗り越えられないと思いながらももがいたのかな。


♪2017-77/♪東京国際フォーラム-11

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017 No.364 〜バイオリン&ピアノ・デュオ

2017-05-06 @東京国際フォーラムG409


梁美沙<ヤン・ミサ>:バイオリン
広瀬悦子:ピアノ

シューベルト:バイオリンとピアノのためのソナチネ第3番 ト短調 D408
モーツァルト:バイオリン・ソナタ第21番 ホ短調 K.304
ストラヴィンスキー:イタリア組曲(バレエ「プルチネッラ」から)

今年も「熱狂の日」のチケットは全席先行抽選で買ったので、ランク(室内楽など狭い会場の場合はランクもない。)を選ぶ以外は運を天に任せるしかなかった。それでも、あまりひどい場所には当たらなかったのは先行で買ったからかもしれない。とは言え、自分でピンポイントで選んだ訳ではないので、中にはがっかりもあった。
このプログラムもそんな席で、一段高くなったステージの前方と舞台上手・下手の3方に座席が作られている。僕の席は舞台下手の2列目だった。つまり、ピアニストとバイオリニストの背中とお尻を見る席。

だからと言って音が歪んで聴こえる訳ではないが、どうも勝手が違う。至近距離の迫力は嬉しいのだけど、こういう場所で聴いていると音楽に入り込むのが難しい。「音楽は眼で聴く」部分が相当あるので、全体の掌握が悩ましい。

シューベルトと大好きなモーツァルトのK304のソナタはまずまずだったが、ストラヴィンスキーのイタリア組曲は終盤乱れてしまったのが残念。


♪2017-77/♪東京国際フォーラム-10

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017 No.312 〜ロシアの舞踊

2017-05-06 @東京国際フォーラムA


ドミトリー・リス:指揮
ウラル・フィルハーモニー管弦楽団
テディ・パパヴラミ:バイオリン

チャイコフスキー:バイオリン協奏曲 ニ長調 op.35
ショスタコーヴィチ:バレエ「黄金時代」から 序曲、ポルカ、ダンス

今日のAホールの指定席は舞台からの縦位置16列は好位置だが横位置が上手寄りでバイオリン群から遠過ぎた。そんな訳でオケのバランスは良くなかった。

しかし、Vn独奏のT・パパヴラミは昨日のソナタに比べると水を得た魚の如し。
大編成のオケは2曲目のショスタコで更に多くの管楽器が加わって益々多彩に鳴り響き、「熱狂の日」今年のテーマ「ダンス」が狂乱した。やはり正面から聴きたかったな。


♪2017-76/♪東京国際フォーラム-09

2017年5月5日金曜日

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017 No.256 〜トリオ・エリオス (ピアノ三重奏)

2017-05-05 @東京国際フォーラムD7


トリオ・エリオス
 カミーユ・フォントゥノ:バイオリン
 ラファエル・ジュアン:チェロ
 アレクシス・グルネール:ピアノ

ハイドン:ピアノ三重奏曲第25番 ト長調Hob.XV:25「ジプシー・ロンド」
ラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ短調

トリオ・エリオスは、同じ会場で昨日も聴いたけど今日は席が良かったこともあるが、昨日よりずっといい。
「ジプシー・ロンド」は、昨日、堀正文トリオでも聴いた。趣が違ったが、好みを言えばこちらかな。席が良くて楽音が明瞭に聴き取れたことも好印象の原因だろう。

ラヴェルのピアノ・トリオは生初聴きだった。
心を和ませるとか癒やしてくれるような音楽ではないけど、メロディも掴みどころのない変拍子も含め、楽想や奏法が実に多彩だ。3種類の楽器をそれぞれ極限まで使い倒しているようで、演奏も相当な超絶技巧に見える。室内楽の異種格闘技の面目躍如だった。


♪2017-75/♪東京国際フォーラム-08

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017 No.225 〜古風なイタリア

2017-05-05 @東京国際フォーラムB7


ロベルト・フォレス・ヴェセス:指揮
オーヴェルニュ室内管弦楽団

ボッケリーニ:マドリードの通りの夜の音楽 op.30-6 (G.324) 
(アヴェ・マリアの鐘、兵士たちの太鼓、盲目の乞食たちのメヌエット、ロザリオ、パッサカリア、太鼓、帰営ラッパ[夜警隊の退却])
テレマン:組曲ト長調「ドン・キホーテのブルレスカ」
レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲

昨日も聴いた20人弦楽合奏団。
室内管弦楽団と名乗っているからは曲によっては管楽器も加えるのだろうな。でも、今年の「熱狂の日」では弦楽合奏しか聴かなかった。

昨日は席が近すぎたが、今日は程よい距離で弦楽合奏の響の美しさが増幅した。ボッケリーニ、テレマンの各作品は初聴きだったが心地よし。
何といってもレスピーギ。
テレマンやボッケリーニより100年〜130年ほどあとの時代の作曲家で没年は1936年。作曲を開始したのは20世紀に入ってからだ。「古風な」と言う時代は16〜17世紀を指すらしい。その当時のリュート曲を管弦楽(第1、2組曲)〜弦楽合奏(第3組曲)に編曲したもので、リュートは登場しない。今回演奏された第3曲が一番有名だろう。
特に第3曲(全4曲)の名曲「シチリア」は弦のみの美しい響きとあいまって心に染み入った。

♪2017-74/♪東京国際フォーラム-07

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017 No.213 〜フランスの味わい

2017-05-05 @東京国際フォーラムA


パスカル・ロフェ:指揮
フランス国立ロワール管弦楽団

デュカス:交響詩「魔法使いの弟子」
サン=サーンス:死の舞踏 op.40
ラヴェル:ボレロ
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アンコール
ラヴェル:ボレロから最終部分

今日のホールAは3列目やや左という過酷席だったが昨日と大違い。何故か響は明瞭だった。

第1バイオリンの目の前のような席だから、バイオリンの聴こえ過ぎはやむを得ないが、各パートもしっかり分離して聴こえる。
何より昨日のヴァルソヴィア響より格段に巧い。演奏技術は場所のハンデも乗り越えるのだろうか。

最後のボレロ。
「ボレロに外れなし」と思っているが、今回の演奏にも惹き込まれた。人間の最も原初的な感性に訴える官能的なリズムの高揚にやられた!


♪2017-73/♪東京国際フォーラム-06