2025年7月13日日曜日

読売日本交響楽団第143回横浜マチネー名曲シリーズ

2025-07-13 @みなとみらいホール



シルヴァン・カンブルラン:指揮
読売日本交響楽団
リーズ・ドゥ・ラ・サール:ピアノ*

バーンスタイン:「キャンディード」序曲
ガーシュウィン:ピアノ協奏曲ヘ長調*
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲(弦楽合奏版)
ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」
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メシアン:おお、聖なる饗宴よ*



遅刻しそうになって、客席に入るともうオケが並んでいる。自席に座る時間的ゆとりはあったが、同じ列の人に迷惑だし、ちょうど最後列の通路側が空いていたので1曲はそこで聴くことにした。みなとみらいの最後列はもちろん初めて。
このホールも23列目?以降は2階席の床下なので響きが悪かろう…と思っていたが、案外そうでもなくて間接音もよく聴こえてきたのには驚く。でも、音圧は不足だけど。


読響のプログラムは、曲の解説はあっても、その日のプログラムのコンセプトに関しては何にも書いてない。だから、今日のようなごった煮に何か共通するものがあるのかどうか分からない。

後半の2曲は、いわば耳タコだけど、前半は複数回聴いているけど多くないので、旋律の切れ端にさえ耳覚えがない。

ガーシュウィンのPf協はそこここにガーシュウィン印が刻印されていた。Pf独奏もオケとよく合わせ、キラキラ輝く音色で良かったが、Encがつまらなかったな。単に和音をボンボンと連ねているだけの作品で面白みもなく、Pfの良さも感じられない。


後半のルーマニア民俗舞曲は大好物だが、やはり原曲のPf演奏又はPfとVnくらいの編成で聴きたい。弦楽合奏では品がありすぎて民俗舞曲とは思えない。また、テンポもゆっくりすぎた。

5月に日フィルはEncで演奏したが、この時はとても「臭くて」良かったのだけど。

展覧会の絵は、読響ブラスが咆哮してヨシ!


♪2025-096/♪みなとみらいホール-020

2025年7月11日金曜日

シリーズ「光景―ここから先へと―」Vol.3 消えていくなら朝

2025-07-12 @新国立劇場



【作・演出】蓬莱竜太
【美術】小倉奈穂
【照明】阪口美和
【音響】工藤尚輝
【衣裳】坂東智代
【ヘアメイク】田中順子
【演出助手】橋本佳奈
【舞台監督】下柳田龍太郎

大谷亮介
大沼百合子
関口アナン
田実陽子
坂東希
松本哲也

シリーズ「光景―ここから先へと―」Vol.3
消えていくなら朝
[フルオーディション Vol.7]

Morning Disappearance

予定上演時間:
約2時間5分(休憩なし)





そこそこ売れている劇作家の次男が実家に戻った。
家族全員が揃うのは18年ぶりだ。
次男が次回作で実家の家族模様を描くつもりだと話せば、全員に拒否される。

ぎこちない家族の会話が始まると、表向き平穏な家庭に隠されていたが秘密が次々と白日の下に晒され、我慢も辛抱もつっかい棒が外れ問題が噴出し始める。

全員が心を痛めており、脛には傷、腹に一物。
話せば話す程、絆はバラバラに。
かろうじて保たれていた平和な家族の装いは、逆に身内ならではの容赦ない言葉の礫で丸裸に。




母親はとある宗教に凝り固まっている。
母にとって良い子だった長男は宗教の教えに反して破門・挫折。
一人娘は父親の期待を担って男の子ぶって育ったため、今や女に戻れない!
父親は宗教に準じたかのような母親を許せず離婚を望んでいるが、離婚はその宗教の禁ずるところだ。
そしてその母親は父親のかつての部下男性と親しく付き合っている。
両親のどちらからも疎んぜられた次男はふるさとは遠くに在りて思うものを決め込んでいた。
何の問題もないと思われていた次男が連れてきた唯ひとりの<他人>も、実は問題を抱えていた。

笑える部分も少なからず。しかし、多くは、デフォルメされたこの家族の問題を、身の回りにも見つけ出すことを避けることは出来ない。
笑いつつ、責められ、心には何本もの棘が突き刺ささる。

2018年に観た時の新鮮な衝撃は緩和された(舞台装置・セリフ、演出が変わっていた。)が、傑作であることには変わりがない。



かつて…もう40年以上前に高田馬場の汚い小屋で観たつかこうへい「初級革命講座飛龍伝」(初演)で腸捻転になりそうな笑激に身悶えしつつ、お前はそんな軽い生き方で良いのか!と繰り返し責められ続け、正体なくぼろぼろに泣かされたあの稀有な鑑劇体験はもう二度と得られないと思うが、「消えていくなら朝」は若き日の名作を彷彿とさせるものがあった。


♪2025-095/♪新国立劇場-12

横浜バロック室内合奏団定期演奏会114回 〜イタリアの輝き

2025-07-11 @みなとみらいホール



横浜バロック室内合奏団
 Vn:小笠原伸子、鈴木絵由子、橋本弥香、犬飼美奈
 Va:河野理恵子
 Vc間瀬利雄
 Cb:大西雄二
 Cemb:林則子

ピアノ:堀由紀子

ビバルディ:合奏協奏曲集作品3「調和の霊感」から
 第1番 4つのバイオリンの為の協奏曲二長調 RV549
 第8番 2つのバイオリンの為の協奏曲イ短調 RV522
 第10番4つのバイオリンの為の協奏曲口短調 RV580
 第11番 2つのバイオリンの為の協奏曲ニ短調 RV565
ビバルディ:バイオリン協奏曲集「四季」から作品8-2ト短調「夏」RV315
モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414(弦楽四重奏伴奏を元に)
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モーツァルト:メヌエット




◀️感想省略▶️


♪2025-094/♪みなとみらいホール-19

2025年7月9日水曜日

かなっくの響きを楽しむチェンバーミュージック 「奏」Vol.1

2025-07-09 @かなっくホール



新日本フィルハーモニー交響楽団チェロ部門
 弘田徹:Vc
 飯島哲蔵:Vc
 佐古健一:Vc
 佐山裕樹:Vc
 サミュエル・エリクソン:Vc
 多田麗王:Vc
 山内創一朗:パーカッション*


[第一部]
パッヘルベル:カノン
ワーグナー:エルザの大聖堂の入場
ポッパー:レクイエム
ビゼー:カルメンメドレー

[第二部」
フンク:組曲二長調
J.シュトラウス:皇帝円舞曲*
メタリカ:Master of Puppets*
(編曲:鈴木隆太、弘田徹)
ビートルズ:Let it be*
(編曲:山口尚人)
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アメリカン・パトロール




新日フィルVcの弘田徹クンはかなっくHとの付き合いは長いが、今年度からはのクリエイティヴパートナーに任命されて、早速の自主企画を開催することにしたそうだ。

かなっくHの響の良さを新日フィルのメンバーにも知って欲しい、神奈川県下で演奏機会の少ない新日フィルを横浜のお客様にも親しんでいただいて新規のファンを獲得したい、というような趣旨らしい。

新日フィルからVcが5人とティンパニストがかなっくに集合した。

前半は、Vc6人だけ、後半の3曲とEncにパーカッション(ドラムセット)が入った。

同じ楽器の6重奏となると、表現力の面で不足に感じやすいものだけど、Vcは高域も低域も頃良い音域なので、成立するんだろう。Vn6人じゃ面白くないけどVcなら12人でも音楽になる。

とは言え、良い編曲に恵まれないとその良さは発揮できない。
今回も、物足りないものもあったが、概ね、同一楽器の合奏とは思えない多彩な響きを聴かせてくれた。
演奏面では、ちょっと音程の怪しい部分もあったけど。

「奏」Vol.1というからにはVol.2もあるんだろうな。

♪2025-093/♪かなっくホール-09

2025年7月8日火曜日

午後の音楽会第177回 第9回ベートーベン国際ピアノコンクールアジア受賞者コンサート

2025-07-08 @リリスホール



小松さくら:ピアノ(E部門第2位)*
本田純鈴:ピアノ(E部門第1位)**

本田純鈴】
シマノフスキ:4つの練習曲 Op.4
ドビュッシー:12の練習曲 第3番「4度音程のために」
ベートーベン:幻想曲 ト短調 Op.77

【小松さくら】
ベートーベン:ピアノ・ソナタ 第31番 変イ長調 Op.110
リスト:巡礼の年 第1年 「スイス」S.160/R.10 A159から第6曲 「オーベルマンの谷」
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ハイドン:ソナタ ハ長調 Hob.XV1:50から第1楽章**
J.S.バッハ:フランス組曲第1番からアルマンド 二短調*






◀️感想省略▶️




♪2025-092/♪リリスホール-04

2025年7月7日月曜日

オペラ「蝶々夫人」〜高校生のためのオペラ鑑賞教室

2025-07-07 @新国立劇場



指揮:城谷正博
演出:栗山民也
美術:島次郎
衣裳:前田文子
照明:勝柴次朗

【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

【蝶々夫人】 伊藤晴
【ピンカートン】村上公太
【シャープレス】近藤圭
【スズキ】 花房英里子
【ゴロー】 糸賀修平*
【ボンゾ】 三戸大久
【ヤマドリ】 吉川健一*
【ケート】 佐藤路子*
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*は5月本公演でも同役で出演

新国立劇場 高校生のためのオペラ鑑賞教室 2025
ジャコモ・プッチーニ「蝶々夫人」
全2幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約2時間35分
 第1幕                50分
  休憩            25分
 第2幕1場/2場 80分






「蝶々夫人」は一番鑑賞回数の多いオペラだ。何度観ても面白いけど、何度観ても納得いかない…ということはさて置いて、残念なこと3点。

①蝶々さんの自決場面に子供を出す栗山演出の意図が分からん(いつものことだが)。

②鑑賞教室のチケットはいつも取るのが超困難で、席を選ぶなんてことはほぼ不可能。今回は1階では21列しかなかった。この辺りは謂わば音響の死角だ。同じ1階でも中央列とはまるで別世界だ。響いてこない。音が遠い。
1階18列以降の5列は単に舞台から遠いだけではなく、2階席の床下に潜り込む形なので間接音が遮断される。普段は買わない席だが本公演の1/4の料金なので…それに本来高校生のための公演なのだし文句は言えないか。

③実年齢18歳くらいの歌手の蝶々夫人を観たい!

♪2025-091/♪新国立劇場-11

2025年7月5日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第409回横浜定期演奏会

2025-07-05 @みなとみらいホール



原田慶太楼:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
阪田知樹:ピアノ*

ラフマニノフ:ヴォカリーズ Op.34-14(管弦楽版)
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43*
ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調 Op.27
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フフマニノフ(阪田知樹編):ここは素晴らしい処 Op.21-7





オール・ラフマプロで、しかも重量級だよ。時間的にはヴォカリーズが無くてちょうど良いくらいだったが、これもなかなか味わい深い。実に多様な編曲版を聴いているが、原曲は多分聴いたことがないような…。
今回の管弦楽版は声楽部分がVnの独奏だった。

次がパガ狂。先月、アヴデーエワ+N響@NHKホールで聴いたばかりで、これが非常に好印象だったが、今日の阪田クンも負けてはいない。ま、ホールの違いが大きい。やはりみなとみらいHで聴くと管弦の混ざり具合も頃よし。特に、スタインウェイが本来の煌めきを放っている。

昨日、紗良=オットをサントリーで聴いたが、彼女の力演にもかかわらずひどい音にうんざりしたが、今日、みなとみらいで聴くと本来Pfの音はかくあるべしだと痛感する。

交響曲第2番。
重厚長大な音楽だが、聴く機会が多く、今年は既に2回目。それで、だいぶ馴染んできた。
今回の日フィルの演奏は、原田氏の彫琢がだいぶ行き渡っている感じで、これまでになく、構成が分かりやすくだいぶ音楽が入ってきたような気がした。

3-4-5の3日間で4オケ定期を聴き、最後がこの日フィルだったが、やはり日フィルは一皮剥けて高水準だなあと思った。
Aクラス3つの中に入る。

♪2025-079/♪みなとみらいホール-18