2015-06-14 @ミューザ川崎シンフォニーホール
ジョナサン・ノット:指揮
サボルチ・ゼンプレーニ:ホルン
若林顕*
若林顕*
R.シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」
R.シュトラウス:ホルン協奏曲 第2番 変ホ長調
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシカ」(1947年版)*
R.シュトラウスの作品でコンサートでよく聴く機会があるのはほとんど交響詩で交響曲も「アルプス~」や「家庭~」など有名なのもあるけど、これまでナマで聴く機会はなかった(と思う)。
N響の次期首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィが在任中にR・シュトラウスチクルスをやるらしく、既に定期でも(横浜定期でも)取り上げているが、これからも聴く機会は増えるのだろう。
R.シュトラウスは1864年の生まれだからドビュッシーよりわずか2歳若いだけだが、フランスとドイツの音楽性の違いなのか、こちらは比較的古典的な作風で妙な旋法や音階を用いていない(と思う)。
それだけに音楽は簡明で分かりやすい。
交響詩や交響曲の他にもいろんなジャンルの作品を作っているけどピアノソナタやピアノのための小品の中にはとても魅力的なものがある。バイオリンソナタや協奏曲もいい。
ちょっと癖になるというか、追求してみたい気にさせる作曲家の1人だ。
R・シュトラウスの父親がホルンの名人だったようで19歳の時に父親のためにホルン協奏曲を書いている。
それが第1番で、この日演奏された第2番は78歳の時(1942年)の作品だ。さすがに父親は存命してなかったはずで、楽譜には「父の思い出に」と書き込まれたそうだ。
彼自身は1941年に完成したオペラ「カプリッチョ」が自分の最後の作品で、その後の作品は<手首の運動のために書いた!>ものだと言っているらしいが、このホルン協奏曲はそれにしては相当手首を複雑に動かしたのだろう。
ホルン協奏曲であるからには当然だろうが、素人耳には演奏には相当高度なテクニックを要すると聴いた。
ホルンという楽器は未だに未完成なのか、あらゆる管楽器の中で一番音がひっくり返りやすいように思う。プロであってもたまに音を外すことがある。
しかし、この日のサボルチ・ゼンプレーニというホルン奏者は危なげなく吹き切った。ソロプレイヤーだから当然といえばそれまでだけど、なかなかの腕前のようだ。
ストラヴィンスキーはバレエのための音楽をいくつも書いているが、なかでも「火の鳥」、「ペトルーシカ」、「春の祭典」が超有名で(3大バレエ音楽)、逆に言えばその他のバレエ音楽はほとんど聴く機会がない。それにバレエ音楽という制約もあるせいか、他の手持ちCDのバレエ音楽を含め、どれも似たり寄ったりの感じがするので、いまいちストラヴィンスキーには肉薄できないでいる。
交響曲や協奏曲、室内楽作品も書いているようだから、バレエ音楽とは別ジャンルの作品も聴いてみたいものだ。
♪2015-57/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-09