2015-02-07 @ミューザ川崎シンフォニーホール
シュテファン・アントン・レック:指揮
ルドルフ・ルッツ:オルガン
東京交響楽団
レスピーギ:ローマの噴水
バーバー:トッカータ・フェスティーヴァ
バルトーク:管弦楽のための協奏曲
「ローマの噴水」はレスピーギの3部作の中でも生ではあまり聴いていないような気がするので、いい加減な記録だけど、日記を検索してみたら、平成4年(1992年)7月に外山雄三指揮東京シティフィルで聴いていた。場所は書いてないので分からない。
なぜ、こんな古い記録のことを書くかというと、その時、ラロのスペイン交響曲も演奏されて、バイオリンのソロを弾いたのが大谷康子だと書いてあった。
つまり、大谷康子は、現在東響のソロ・コンサートマスターで、今日も登場したが、何か、不思議な縁を感じたからだ。
オルガンも入る近代管弦楽の華のようなオーケストレーションが楽しい。それでいて、まさにローマ時代を思わせる古風な旋律が混じっていて面白い。
今日のオルガンは管弦楽の並ぶ同じステージに据えられた。アップライトピアノを2台縦に重ねたくらいの大きさだ。
え~!なんでパイプオルガンがあるのに移動オルガンなんて使うのかなあ、と不審に思っていたが、音楽が始まってオルガンが演奏されると音は舞台後方の大きなパイプオルガンから出るのだ。
これはびっくり。
遠隔操作オルガンだ。
こんなことまでできるなら、楽屋で指揮者のモニター画面を見ながらポロシャツ・ジーンズでもオーケストラに合わせることができるなあ!と思ったが。
でも、2曲めのバーバー(「弦楽のためのアダージョ」が超有名。でもこれしか思い出せない。)の「トッカータ・フェスティーヴァ」では、これも管弦楽とオルガンのための曲だが、こんどはパイプオルガン席の鍵盤に向かって演奏した。
するとなぜ、1曲めは舞台で演奏したのか分からなくなるが、ひょっとして、ストップ(音色)の数は71、パイプの総数は5,248本という日本最大級のオルガンを扱いこなすにはやはり正規のコンソールでなければできない操作があるのかもしれない。
バルトークと言えば、「トランシルヴァニア舞曲」とか「ルーマニア民俗舞曲」位しか知らない。いや、ほかにも色々聴いてはいるだろうけどハンガリーの民族音楽の大家という程度の知識・印象しかない。僕にとっては未開の分野だ。この人も入り込めば奥が深くて面白いのだろうけど、当面の課題が山積しているから消極に接することにしよう。
「管弦楽のための協奏曲」は1944年初演という新しい音楽だけど、やはりバルトークらしい土着の匂いを感じさせながらオーケストラは派手に各パートごとがいわゆるパートソ・ロを聴かせるもので、初めて聴いた割には楽しむことができた。
指揮のシュテファン・アントン・レックも初めて聴く人だった。クセのない素直な指揮ぶりに好感した。
また、カーテンコールではミューザの舞台を取り囲む客席構造を踏まえて四方八方にぐるりと笑顔を見せ、楽団員にも舞台横、後方席にお愛想を慫慂して思わず観客も楽団員にも笑いが起こるなどサービス精神旺盛だった。
♪2015-12/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-03