2020年8月19日水曜日

ランチタイムコンサート 口笛とギターで奏でる爽やかな響き

 2020-08-19 @ミューザ川崎シンフォニーホール


口笛:青柳呂武

ギター:志野文音

成田為三:浜辺の歌
ロブレス:コンドルは飛んでいく
ピアソラ:リベルタンゴ
青柳呂武:Fly in My Sky
コリア:スペイン
モンティ:チャルダッシュ
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マイ・フェヴァリット・シングス


口笛位僕でも吹けるが青柳くんは藝大卒・現院生で口笛の世界チャンプだ。見事なもので、音も実に美しく、どんな管楽器より微妙な音色を出す。加えて超速のタンギングなどの超絶技巧には”舌”を巻く。ギターとの相性がとても良く、2千人のホールが静まりかえった。


コロナは多くの厄災をもたらしているが、一方で、”静謐な音楽会”を味わえるのは怪我の功名だ。

市松配置とマスク(感染予防効果は疑わしい)が観客の声を封じている。

曲間のゲホゲホもまず聞かなくなった。

プログラムをめくる音さえしない完全な静けさの中で、口笛とギターが一層美しく響いた。



♪2020-040/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-10

2020年8月15日土曜日

東京交響楽団 東響オペラシティシリーズ第114回

 2020-08-15 @東京オペラシティコンサートホール


沼尻竜典:指揮
東京交響楽団

辻彩奈:バイオリン*

ストラヴィンスキー:バレエ音楽「カルタ遊び」
ブルッフ:バイオリン協奏曲第1番*
ベートーベン:交響曲第2番ニ長調 op.36
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J.S.バッハ:無伴奏バイオリンのための組曲第3番ホ長調 BWV.1006からロンド風ガボット


1曲目は腕慣らし。

期待の辻彩奈によるブルッフのVn協が実に素晴らしい。

この曲自体が大好物だが、彼女のVnはいつも明確な主張があるように思う。ホールの響きの良さにも助けられたか音量も豊かでオケに全く埋もれない。べト2番は聴く機会が少ないので聴けて良かった。


東響の編成は典型的な弦12型。3曲とも変わらなかった。

1プルト1対でスカスカではない普通の配置。やはりこれがいい。

指揮者、独奏者、水谷コンマスはマスクなし。それでよし。

他の弦奏者はマスクをしていた。何の為にマスクしているのか分からないよ。20分休憩ありの2時間コース。


添付したチラシは本来はノット氏の写真だったが来日できないので沼尻氏に変わったのでお遊びで顔写真などを貼り替えたもの。


♪2020-039/♪東京オペラシティコンサートホール-03

2020年8月12日水曜日

8月中席第2部

 2020-08-12 @国立演芸場


落語 桂南太郎⇒
平林
落語 桂宮治⇒上燗屋
落語 三遊亭兼好⇒夏泥
落語 三遊亭笑遊⇒幽霊の辻
俗曲 桧山うめ吉
落語 三遊亭円楽⇒読書の時間


TVでの人気者が揃って満員御礼。
先日の上席なんかガラガラだったのに。

確かに今日は高水準だった。
滅多に聴かない前座も巧かった。

二つ目ながら桂宮治は慣れたものだし、三遊亭兼好は軽さがいい。
三遊亭笑遊の捉えどころのないおかしさ。

円楽はイマイチだが。

♪2020-038/♪国立演芸場-04

2020年8月8日土曜日

八月花形歌舞伎 第三部

 2020-08-08 @歌舞伎座


義経千本桜
吉野山(よしのやま)

佐藤忠信実は源九郎狐⇒猿之助
逸見藤太⇒猿弥
静御前⇒七之助


今日はホンに「花形歌舞伎」の看板にふさわしい猿之助・七之助の「義経千本桜-吉野山」。

本来の演題は「道行初音旅(みちゆきはつねのたび)」というそうだ。「道行」は、一般的には道ならぬ恋をした男女の逃避行が多いが、ここでは義経の愛妾「静御前」(七之助)とその家来「佐藤忠信」(本当は狐:猿之助)という主従の道中を描いているのが珍しい。

ほとんど台詞のない舞踊劇だが、特に猿之助の表情がとても雄弁。狐であるからすっぽんから登場。最後も衣装の早変わりで狐の忠信として花道に消えた。

途中に大立ち回りもあって賑やかだ。

筋らしい筋もなく、妙な芝居だけど、型や仕草が満開の桜を背景に華やかだ。

拍手盛大だが、やはりここぞ、というところで「大向こう」の掛け声が欲しい。

世界の演劇に通じている訳ではないけど、「歌舞伎」は舞台と客席が一体となってその相互作用が生み出す芸能として稀有な存在ではないだろうか。

客席側の態度表明が拍手だけ(それもタイミングが難しい。)では寂しいし、芝居が成り立っていないと思う。


帰りに歌舞伎座のお兄さんに「大向こう席」を作るように申し入れをしておいた。
2、3階の上手通路後方に一角を区切って声を掛けたい人たちの専用席を作り、臨席との間はアクリルで仕切れば問題ないはず。真剣に考慮するかな。

♪2020-037/♪歌舞伎座-03

2020年8月5日水曜日

8月上席第2部

 2020-08-05 @国立演芸場


落語 入船亭辰ぢろ⇒たらちね
落語 柳家緑太⇒狸鯉
落語 春風亭柳朝⇒牛ほめ
落語 柳家小袁治⇒王子の狐
ものまね 江戸家小猫
落語 柳家さん遊⇒らくだ

半年振りの再開だが、興行形態が変わって2部制に。各90分中入りなし。各部別料金。短縮されたが料金変わらず。客席は市松でマスク着用。今日は40人弱が出せず😷、ほとんど声も笑いもせず😶…って何だよ。

本命の落語に聴きものなく、動物物真似の猫八が巧い。

♪2020-036/♪国立演芸場-03

2020年8月4日火曜日

フェスタサマーミューザ2020 新日本フィルハーモニー交響楽団 ≪久石譲、ベートーベンを振る!~≫

 2020-08-04 @ミューザ川崎シンフォニーホール

久石譲:指揮

新日本フィルハーモニー交響楽団

豊嶋泰嗣(新日本フィルハーモニー交響楽団 ソロ・コンサートマスター)*

久石譲:Encounter for String Orchestra
ベートーベン:バイオリン協奏曲ニ長調 作品61*
(カデンツァ:ベートーベン/久石譲)

ベートーベン:交響曲第7番イ長調 作品92


久石譲指揮による自作とベト2本。
Vn協は空中分解気味。

交響曲7番に至って纏り出した。

弦12型と言っても、Vc7、Cb6という低域増強が、2楽章では足枷のように音楽を引き摺ったが、3-4楽章に進んでからは音の厚みに変化して納得の仕上がり。

久石流ベトの独自な節回し。

♪2020-035/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-09

2020年8月3日月曜日

八月花形歌舞伎 第四部

 2020-08-03 @歌舞伎座

三世瀬川如皐 作

与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)
源氏店

切られ与三郎⇒幸四郎
妾お富⇒児太郎
番頭藤八⇒片岡亀蔵
和泉屋多左衛門⇒中車
蝙蝠の安五郎⇒彌十郎


半年ぶりに再開した歌舞伎座で、幸四郎・彌十郎・児太郎・中車らの「与話情浮名横櫛」を観る。
掛声・大向こうの禁止、幕間の私語遠慮、という異常な状態で、観客の声援は拍手のみ。

幸四郎が見得を切る〜そこで拍手。
児太郎も見得を切る〜そこで拍手。

この気脈がなかなか飲み込めない。

それにしてもなんと静寂な歌舞伎座!
いつもなら開幕前や休憩中はそこここでおばちゃん達の甲高い話し声。

それがない。
全然ない。

座席は市松模様で前後左右が空いているから、友達も、恋人も、夫婦も、目下不倫中の2人も仲を割かれるので話しづらいということもあるが、みんなお行儀よく決まりごとを守って大したものだな。むしろ、開幕前に繰り返し放送される注意事項がホンに煩かった。


♪2020-034/♪歌舞伎座-02