2020-08-08 @歌舞伎座
義経千本桜
吉野山(よしのやま)
佐藤忠信実は源九郎狐⇒猿之助
逸見藤太⇒猿弥
静御前⇒七之助
今日はホンに「花形歌舞伎」の看板にふさわしい猿之助・七之助の「義経千本桜-吉野山」。
本来の演題は「道行初音旅(みちゆきはつねのたび)」というそうだ。「道行」は、一般的には道ならぬ恋をした男女の逃避行が多いが、ここでは義経の愛妾「静御前」(七之助)とその家来「佐藤忠信」(本当は狐:猿之助)という主従の道中を描いているのが珍しい。
ほとんど台詞のない舞踊劇だが、特に猿之助の表情がとても雄弁。狐であるからすっぽんから登場。最後も衣装の早変わりで狐の忠信として花道に消えた。
途中に大立ち回りもあって賑やかだ。
筋らしい筋もなく、妙な芝居だけど、型や仕草が満開の桜を背景に華やかだ。
拍手盛大だが、やはりここぞ、というところで「大向こう」の掛け声が欲しい。
世界の演劇に通じている訳ではないけど、「歌舞伎」は舞台と客席が一体となってその相互作用が生み出す芸能として稀有な存在ではないだろうか。
客席側の態度表明が拍手だけ(それもタイミングが難しい。)では寂しいし、芝居が成り立っていないと思う。
帰りに歌舞伎座のお兄さんに「大向こう席」を作るように申し入れをしておいた。
2、3階の上手通路後方に一角を区切って声を掛けたい人たちの専用席を作り、臨席との間はアクリルで仕切れば問題ないはず。真剣に考慮するかな。
♪2020-037/♪歌舞伎座-03