2025-06-22 @フィリアホール
マリオ・ブルネロ:チェロ
M.ヴァインベルク:無伴奏チェロ・ソナタ第1番 Op.72
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調 BWV1008
M.ヴァインベルク:無伴奏チェロ・ソナタ第2番 Op.121
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV1007
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M.ヴァインベルク:24の前奏曲から第21番
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第5番からサラバンド
ミェチスワフ・ヴァインベルク⇒1919-1996
J.S.バッハ⇒1685-1750
ブルネロは放送録画では何度も聴いているけど、生演奏は初めてだったが、今回は、ナマの凄さを痛感した。
なんと言っても音がいい。これぞチェロの音だ。こんなに豊かな音色はずいぶん久しぶりで、思い出すのは東京春祭で何度か聴いたベルリン・フィルの室内楽の、あのチェロの音に近い。
フィリアホールとの相性が良かったのか、もちろん楽器もとても良いものなんだろうな。
M.ヴァインベルクの無伴奏(1919生)とJ.S.バッハ(1685生)の無伴奏を交互に演奏した。
前者のチェロ作品は初めて聴く(Pfソナタはアヴデーエワで聴いたことがあったが、名前はすっかり忘れていた。)。
もちろん現代作品なので、最初は無調というか、音程もしかと定まらない感じで始まったのでひょっとして微分音を使っているのかと思ったくらいだったが、徐々に旋律らしきものが浮かび上がってくると、まあ、普通の現代音楽で、ショスタコと親交が深かったそうだが、ショスタコ印がところどころに顔を出す。ブルネロはこの作品をJ.S.バッハ以後の最重要な作品群と言っているが、その深さは分からない。
バッハを弾くときは、実に丁寧なアプローチで、何か、深遠な世界に連れてゆく気なのか?と思ったりしたが、こちらにそれだけの鑑賞眼はないけど。
しかし、こういう演奏を聴けて本当に良かったと思った。いつも本物の演奏を聴いているはずだけど、今日のブルネロの、特にバッハは正しく本物の音楽で、しみじみと美しかった。
Encもこの両者の作品だった。
驚いたのは、ヴァインベルク:24の前奏曲から第21番という作品だ。これは冒頭から、ショスタコのVc協とそっくりだ。似てしまった、というレベルではなく、確信的に模倣している。オマージュなのかもしれないけど、冗談みたいに聴こえたな。
♪2025-085/♪フィリアホール-04