2025年4月13日日曜日

午後のアルゼンチンタンゴ 〜コントラバホ・ミロンゲーロ・コンサート

2025-04-13@かなっくホール



コントラバホ・ミロンゲーロ
 イレーネ・フェラーリ:歌
 東谷健司:コントラバス
 早川純:バンドネオン
 青木菜穂子:ピアノ


第1部
1ロレンソ・ロガッティ:「抵抗しがたいもの」
2イレーネ・フェラーリ:「五月大通りのワルツ」
3イレーネ・フェラーリ:「愛ってなんだか知らないわ」
4イレーネ・フェラーリ:「運命」
5アニバル・トロイロ:「南」
6ファン・デ・ディオス・フィリベルト:「カミニート」
7ファン・デ・ディオス・フィリベルト:「バンドネオンの嘆き」

第2部
1ルイス・ルビンスタイン:「私の街のカーニバル」
2カルロス・ガルデル:「帰郷」
3イレーネ・フェラーリ:「タンゴ好きな女の子」
4エドゥアルド・アローラス:「エル・マルネ」
5イレーネ・フェラーリ:「マファルダ」
6イレーネ・フェラーリ:「ボルデオ」
7イレーネ・フェラーリ:「Why not?」



◀️感想省略▶️



♪2025-048/♪かなっくホール-06

2025年4月12日土曜日

NHK交響楽団2034回A定期 04月公演

2025-04-12 @NHKホール



パーヴォ・ヤルヴィ:指揮
NHK交響楽団
アントワーヌ・タメスティ:ビオラ*

ベルリオーズ:交響曲「イタリアのハロルド」*
プロコフィエフ:交響曲第4番ハ長調 作品112
(改訂版/1947年)
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J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV1007(ビオラ版)から「前奏曲」*





期待のPヤルヴィ。常任指揮者時代はたいてい響きも音楽の構成感も引き締まった演奏に好感していた。

今日も、一部にそういう雰囲気を彷彿とさせたが、全体としては、弦が美しくなかった。これがN響?と合点の行かない響きだったが、何が問題だったか?

2曲とも演奏機会が極めて稀で、おそらく、両方とも生では過去1回しか聴いていない。

「イタリアの〜」では、驚くことに指揮者の下手に用意してある独奏者用スペースに独奏者がいない状態で演奏が始まった。え〜?どこにいるんだ?と思ったら下手のハープの右に立って弾き始めた。以下、舞台中央(本来の独奏場所)、上手コンバスの内側、下手ハープの左と変幻自在だ。
独奏者ご本人のアイデアだそうだ(各楽器との掛け合いもあったかららしい。)。

また、終楽章に弦楽四重奏が入ることは覚えていた。
前回神奈川フィルで聴いた際は、Vn2人とVcが舞台から消え、舞台上の独奏Vaと弦楽四重奏を演奏した。

しかし今回はそういうバンダ的な演奏ではなく、各楽器のうんと後ろのプルトの奏者が独奏ビオラと舞台上で四重奏を弾いたので、あれ、どこでやってるの?とうろうろしながら結局カーテンコールで気が付いた次第。

まあ、管弦楽作品としてはコリに凝った作品だけど、あいにく、面白くない。


プロコ4番。これも随分久し振りで、かつ、始まっても覚えのある旋律も出てこなくて、記憶は完全消失していた。
そして、序奏?がニョロニョロと頼りなく、もうここで、集中する気力を失った。

ま、2曲とも楽しめなかった最大の原因はN響の、特に弦の響に艶がなかったことだと思う。

タスメティのEncでバッハの無伴奏Vc組曲1番前奏曲を弾いたがこれはとても良かったな。

♪2025-047/♪NHKホール-03

バレエ「ジゼル」

2025-04-12 @新国立劇場



【指揮】冨田実里
【振付】ジャン・コラリ/ジュール・ペロー/マリウス・プティパ
【演出】吉田都
【ステージング・改訂振付】アラスター・マリオット
【音楽】アドルフ・アダン

【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

【ジゼル】柴山紗帆
【アルブレヒト】速水渉悟
【ヒラリオン】渡邊拓朗
【ミルタ】山本涼杏

バレエ:アダン「ジゼル」
全2幕

予定上演時間:約2時間15分
第Ⅰ幕 55分
  休憩30分
第Ⅱ幕 50分



「ジゼル」はおそらく35年ぶりくらいで観たよ。
前回の内容は完全消失していたので、こんなに素晴らしいバレエだとは思ってもいなかった。

舞台美術、振り付け、演出に非の打ち所がない。
何よりもバレエ自体…特に群舞がよく揃って見事な出来だ。

パントマイムという宿命から、話の筋は見えにくいものだけど、今回は細かい仕草の振り付けもよくできていて、彼らの気持ちも良く分かる。

賑やかで明るい調子の1幕との対比で2幕のウィリ(裏切られた乙女たちの霊)の踊りがとりわけ面白かった。

裏切られた乙女がこんなにはいないだろうと思いたいが、24人かな?登場して、完全に無表情で完璧なシンクロ芸を見せて、悪い男を踊り狂わせて死に追いやる。
怖くて、しかし美しい。


ジゼルを初めは遊び半分で誘惑して夢中にさせた挙げ句、許嫁の存在がバレてジゼルを狂乱の踊りで死に追いやることになる王子もウィリの復讐を受けるが、ジゼルの霊が彼を助ける…が、本当に助かったのかどうかは分からない。余韻を残す幕切れでそれも面白いと思った。

とにかく、完成度が高い。
この作品は、7月にロイヤルオペラハウスでの公演が予定されているというが、このレベルの高さだと大成功するような気がするな。いや、して欲しいものだ。

♪2025-046/♪新国立劇場-07

2025年4月7日月曜日

東京都交響楽団 第1017回 定期演奏会Aシリーズ

2025-03-14 @東京文化会館



大野和士:指揮
東京都交響楽団
キリル・ゲルシュタイン:ピアノ*

ベルク:管弦楽のための3つの小品 作品6
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 作品83*






ベルクの「管弦楽のための〜」は3回目だったが丸切り忘れている。

特大規模の編成だ。
弦は当然16型。
管は多彩でその分演奏者も多い。
特に打楽器はドラが2台、Timpも2組。ハンマーまで登場した。尤も第2Timpには神奈川フィルの篠崎くんが客演していたが、ほとんど出番はなかった。ハンマーはか弱き女性が振り回したせいか迫力不足。

ともかく、大勢が駆り出されたが、音楽の方は面白くない。C/Pが悪い音楽だ。作曲家の自己満足に過ぎないような気がするよ。

とはいえ、文化会館のビッグステージに目一杯広がった都響の演奏は、粒立ち良く定位も良くこれぞ超立体音響(…本末転倒なことを言っているよ。)で聴く管弦楽の面白さも味わった。


音楽的には後半のブラームスが盛り返してくれた。
ピアノのキリル・ゲルシュタインは23年に都響と共演しているそうだが僕の記録にないのでAB以外だったのかも。
それより、もう1人のキリル(ペトレンコ)が指揮するベルリン・フィルと共演した22年のワルトビューネでのラフマニノフ2番はちょっと印象に残っていたよ(TV録画で)。

今回も、とても良かった。
正統的で、ケレンなく、堂々として、これぞドイツ・ロマン派の真骨頂という感じ。
ブラームスの素晴らしさを全幅に味わった。

ゲルシュタインのステージマナーにも風格を感じた。大人だね。45歳。僕と歳はだいぶ違うが誕生月日が同じなんだ。どうでもいいけど。

この頃、体力的に衰えているのではないかと心配していた大野ちゃんも、今日、見る限りではすごく力をセーブしながら、しかし、手勢を明確にコントロールしていて、大編成大好きな都響から良いアンサンブルを引き出していた。

♪2025-035/♪東京文化会館-03

2025年4月5日土曜日

東京シティ・フィル第378回定期演奏会

2025-04-05 @東京オペラシティコンサートホール



高関健:指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
大谷康子:バイオリン

ショスタコーヴィチ:バレエ組曲「ボルト」より抜粋
メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲ホ短調 作品64
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン 作品20
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」




今日の東京シティ・フィルの定期コンサートは、客演バイオリンが大谷康子。
この人も間も無く70歳。デビュー50周年。

シティ・フィルのコンマスも長くやっていた(13年間。その後東響のコンマスを21年。)。

現役のオバサマ・バイオリニストでは一番好きな人。

昨日も聴いたメン・コンを今日も聴いた。

こう言っちゃなんだけど、昨日と比べると、(オケの実力も違うんだけど)格段の差があるな。
楽器もストラディでよく鳴るし。

ツィゴイネルワイゼンも演奏した。
生でも何十回と聴いてきたが、多分、うち、彼女の演奏がこれまで一番多かったと思う。

シティ・フィルも50周年。大谷康子も50周年。
それを記念したか、メインは「春の祭典」。

なかなか強烈だった。よく鳴るホールだから打楽器の爆裂音が容赦ないよ。

でも、新国立劇場でダンス版を観たからには、オケだけではこの頃物足りない。


追記:
4/4に小笠原伸子の四大協奏曲(ベト・ブラ・メン・チャイ)を空前絶後〜などと書いたが、忘れていたっ!

今日シティ・フィルに客演した大谷康子も10年前に四大協奏曲(ビバ・メン・プロ・ブル)を弾いたのを思い出した。おまけにENCでチャールダッシュを客席を回って弾いてくれたよ!ミューザの1階席から、2CAに通ずる階段も弾きながら上り下りするのには驚いたよ。
もう、お歳を考えたらやめた方がいいね。

この時も指揮者は高関健だった。

♪2025-044/♪東京オペラシティコンサートホール-04

2025年4月4日金曜日

小笠原伸子 四大協奏曲の饗宴

2025-04-04 @県立音楽堂



横浜バロック室内合奏団/東京室内管弦楽団
小笠原伸子:バイオリン

ベートーベン:バイオリン協奏曲ニ長調 作品61
ブラームス:バイオリン協奏曲ニ長調 作品77
メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲ホ短調 作品64
チャイコフスキー:バイオリン協奏曲二長調 作品35
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ビバルディ:「四季」から第1楽章(弦楽合奏)





今日は、小笠原伸子(元神奈川フィルのコンサート・マスター⇒女性コンマスの草分け的存在で、現在は複数の室内楽団を主宰)の70歳を記念して開かれた。

これまでは、3大協奏曲を弾く演奏会を年に1回開いていたが、今年は、70歳の節目ということで難曲揃いの協奏曲を一度に4曲(指揮者無し。全曲暗譜)も演奏するという空前絶後・前代未聞・前人未踏の<暴挙>をやってのけた。

それで、普通のコンサートならせいぜい2時間のところ、4曲もやるというので3時間半を要したが、彼女も、彼女をサポートするオケも全篇緊張感を維持し、全くダレることなる弾き切ったのは、演奏の上手い下手をとおり越して小感動だった。

これを齡(よわい)70のバサマがやってしまうのだ。
途中20分の休憩が設けられたが、これは小笠原の為というよりむしろ小用を必要とするお客の為だ。
彼女はステージでは当然3時間10分立ちっぱなしだが、恐らく休憩中もオケとの打ち合わせや残り2曲のおさらいなどで座っている間もなかったろう。
一度座ってしまえばランニングハイが緩んでしまう心配もあったろうな。

そういう意味では、客席の方もテンションが掛かったままだ。


そう、このコンサートでは演奏者もお客も、まるでマラソンを共に走っているようなもので、アドレナリン出まくりであった。

その分、いったい音楽を聴いているのか走っているのか分からなくなるような得難い?緊張に包まれたので、最後のチャイコが終わった時は奏者ともどもどっと〜もちろん心地良い〜疲れに襲われながら、互いに健闘を称え合って盛大な拍手歓声が鳴り響いた。

終演後マイクを持った小笠原は、10年後、80歳の記念には5大協奏曲をやってくれとリクエストが来ていますが、さあできるでしょうか?と言っていたが、彼女ならやってのけるかもしれないな。

僕はその時88歳か。
生きているかどうかも怪しいが、聴きながら往生するのもいいかと思うよ。

因みに、昨日は4月4日。
これも4大協奏曲に合わせたものだった。
すると10年後は5月5日か。

♪2025-043/♪神奈川県立音楽堂-06