2025-04-04 @県立音楽堂
横浜バロック室内合奏団/東京室内管弦楽団
小笠原伸子:バイオリン
ベートーベン:バイオリン協奏曲ニ長調 作品61
ブラームス:バイオリン協奏曲ニ長調 作品77
メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲ホ短調 作品64
チャイコフスキー:バイオリン協奏曲二長調 作品35
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ビバルディ:「四季」から第1楽章(弦楽合奏)
今日は、小笠原伸子(元神奈川フィルのコンサート・マスター⇒女性コンマスの草分け的存在で、現在は複数の室内楽団を主宰)の70歳を記念して開かれた。
これまでは、3大協奏曲を弾く演奏会を年に1回開いていたが、今年は、70歳の節目ということで難曲揃いの協奏曲を一度に4曲(指揮者無し。全曲暗譜)も演奏するという空前絶後・前代未聞・前人未踏の<暴挙>をやってのけた。
それで、普通のコンサートならせいぜい2時間のところ、4曲もやるというので3時間半を要したが、彼女も、彼女をサポートするオケも全篇緊張感を維持し、全くダレることなる弾き切ったのは、演奏の上手い下手をとおり越して小感動だった。
これを齡(よわい)70のバサマがやってしまうのだ。
途中20分の休憩が設けられたが、これは小笠原の為というよりむしろ小用を必要とするお客の為だ。
彼女はステージでは当然3時間10分立ちっぱなしだが、恐らく休憩中もオケとの打ち合わせや残り2曲のおさらいなどで座っている間もなかったろう。
一度座ってしまえばランニングハイが緩んでしまう心配もあったろうな。
そういう意味では、客席の方もテンションが掛かったままだ。
そう、このコンサートでは演奏者もお客も、まるでマラソンを共に走っているようなもので、アドレナリン出まくりであった。
その分、いったい音楽を聴いているのか走っているのか分からなくなるような得難い?緊張に包まれたので、最後のチャイコが終わった時は奏者ともどもどっと〜もちろん心地良い〜疲れに襲われながら、互いに健闘を称え合って盛大な拍手歓声が鳴り響いた。
終演後マイクを持った小笠原は、10年後、80歳の記念には5大協奏曲をやってくれとリクエストが来ていますが、さあできるでしょうか?と言っていたが、彼女ならやってのけるかもしれないな。
僕はその時88歳か。
生きているかどうかも怪しいが、聴きながら往生するのもいいかと思うよ。
因みに、昨日は4月4日。
これも4大協奏曲に合わせたものだった。
すると10年後は5月5日か。
♪2025-043/♪神奈川県立音楽堂-06