2025年2月24日月曜日

かなっくクラシック音楽部 フロイデコンサート 〜カシオペイア クァルテット〜

2025-02-24 @かなっくホール



カシオペイア・クァルテット
 渡辺美穂:Vn1
 ビルマン聡平:Vn2
 村松龍:Va
 弘田徹:Vc

S.バーバー:弦楽四重奏曲第1番 Op.11
P.グラス:弦楽四重奏曲第3番<MISHIMA>
A.ドボルザーク弦楽四重奏曲第12番くアメリカ>
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松任谷由美:春よ来い



カシオペイアSQは、かなっくホール以外の場所でも組んで公演をしているかどうか知らないけど、かなっく以外では聴いたことがない。ここでは、今日で3回目だ。
他のかなっくの公演でも各人が個々に、あるいはSQとして登場しているので、顔馴染み。
メンバーが楽しそうに和気藹々と演奏しているのはとても好感。

バーバーの1番の第2楽章は馴染んでいるし、名旋律だと思うが、両端楽章はあまり面白いとは思えない。

帰宅後、何でこんなに耳馴染んでいるのか?と考えて、遂に思い出した。
映画「プラトーン」の目にも焼き付いているジャングルでのWデフォーの絶命シーンだ。
Youtubeで何度も再生したが、もうこれは肺腑を抉るね。

グラスの作品は、消化が良くてほぼ抵抗感なしだけど、これって、楽しいのか?

やっぱり、ドボルザークの「アメリカ」こそ聴きものだった。

♪2025-027/♪かなっくホール-02

2025年2月23日日曜日

オペラ「オルフェオ」開館70周年記念 音楽堂室内オペラ・プロジェクト第7弾

2025-02-23 @県立音楽堂



指揮:濱田芳通
演出:中村敬一

アントネッロ(管弦楽)
 バイオリン:天野寿彦、吉田爽子、宮崎蓉子
 ビオラ:丹沢広樹
 ビオラ・ダ・ガンバ/リローネ:武澤秀平
 ビオローネ:布施砂丘彦
 コルネット:濱田芳通/細川大介
 コルネット/ナチュラル・トランペット:得丸幸代
 サクバット:南紘平/野村美樹/栗原洋介
 ファゴット:長谷川太郎
 リコーダー:織田優子
 リュート:高本一郎
 ハープ:伊藤美恵
 チェンバロ/ハープ:曽根田駿
 オルガン/レガール:上羽剛史
 パーカッション:立岩潤三

坂下忠弘(オルフェオ)
岡﨑陽香(エウリディーチェ)
中山美紀(ムジカ/プロゼルピナ)
彌勒忠史(メッサジェーラ)
中嶋俊晴(スペランツァ)
松井永太郎(プルトーネ)
今野沙知恵(ニンファ)
中嶋克彦(牧人)
新田壮人(牧人/精霊)


モンテヴェルディ:オペラ『オルフェオ』新制作
プロローグと全5幕
<イタリア語上演・日本語字幕付き>
神奈川県立音楽堂、兵庫県立芸術文化センター、アントネッロ 共同制作

予定上演時間:約2時間45分
 第1部  60分
  休憩    25分
 第2部    80分






モンテヴェルディの「オルフェオ」を初めて、それも古楽Ensで聴くことができた。実に良かった。堪能した。

音楽堂では過去に、モンテヴェルディの「…夕べの祈り」や「ポッペアの戴冠」を楽しんだが、ちょっと乾いた響が古楽にピッタリという感じ。

オケは「アントネッロ」で指揮の濱田芳通(リコーダー/コルネットの名手で時々楽器を持つ時は客席に向き直る)を入れて総勢19人の小編成だが、手にしている楽器が、古楽器ばかりなので、俄ピット(客席4列取り払った)はバロック楽器博物館みたい。

「…夕べの祈り」の冒頭も登場する「ゴンザーガ家の<音の紋章>」が「オルフェオ」にも冒頭演奏されることは知っていたが、今日は趣向が少し違った。アレ?と思ったが理由はプログラムに書いてあった。でも、少し遅れて<音の紋章>が華々しく始まると、もう、ワクワクする。

音楽は実に心地良い。しばらく経つと旋律に慣れてしまって、何となく付いて歌えるような親しみを覚えてくる。

ある意味、悲劇だけど、音楽は明るい。全然深刻な感じはなくて、強引な結末も、これはお祭りなんだなぁと納得する。

指揮活動を引退したミッキー(井上道義)の姿も休憩中のロビーで見た。血が騒いでいたのではないか。


♪2025-026/♪神奈川県立音楽堂-04

2025年2月16日日曜日

小林美樹&小林有沙 デュオリサイタル

2025-02-16 @リリスホール



小林美樹:バイオリン
小林有沙:ピアノ

ベートーベン:バイオリン・ソナタ第5番へ長調 Op.24「春」
武満徹/森山智宏編:さようなら~恋のかくれんぼ~めぐり逢い
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
R.シュトラウス/フバイ編:4つの歌から「明日の朝」Op.27-4
R.シュトラウス:バイオリン・ソナタ変ホ長調 Op.18
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マスネ:タイスの瞑想曲
モンティ:チャールダッシュ




小林美樹は、2014年に神奈川フィルのフレッシュコンサートで初めて聴いて以来、オケとの共演の他にもリサイタル、室内楽などでずいぶん多く聴いている。横浜出身というせいか、市内の小ホールでも聴く機会が多い。数えてみたら今日で14回目だった。
石田組長には遠く及ばないが、よく聴いていると思っていた神尾真由子より3回多い。てことは女性Vnでは1番かも。

今日のリリスホールは彼女が初めて本格的なリサイタルを開いたところだそうだ。お姉さんの有沙さんとの共演も2回目で、前回はブラームスのソナタ全曲@文化小が素晴らしかった。

今回のプログラムは、超有名曲と初めて聴く曲が混在していたが、さらっとやってのける超絶技巧が相変わらず正確で安定感があり、艶っぽい。

♪2025-024/♪リリスホール-01

全席指定 1階 F列 14番 3,000円

2025年2月15日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第402回

2025-02-15 @みなとみらいホール



沼尻竜典:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
服部百音:バイオリン*
佐藤晴真:チェロ*

ブラームス:バイオリンとチェロのための二重協奏曲イ短調 Op.102*
ショスタコーヴィチ:交響曲第10番ホ短調 Op.93
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ヘンデル=ハルヴォルセン:パッサカリア*



前半のWコンチェルト。ブラームスならなんでも好きだけど、昔から、第1&第3楽章のパッションに対して第2楽章に物足りなさを感ずるのは、僕の修行が足らないのか。

それはともかく、旬の、と言っていいか分からないが、聴く度に技術を磨き音楽性を高めている(ような気がする)若手の俊才が見事なものだ。

最近の3回はいずれも客演コンマスだった神奈川フィルに4月ぶりに石田組長が戻って、指揮も沼さんとあってか、オケの方もずいぶん引き締まっていた感じで、出来は上等だった。



後半のショスタコ。

完全記録している14年以降に限定すれば、
15曲ある交響曲のうち聴く機会が多いのは当然5番の15回で全体の1/3を占めるが、次に多いのが何と!本日の10番(7回)だ。
ショスタコだから、わざわざ1回券を買って聴きにゆくこともないし、ショスタコだから聴きにゆかないということもない。この回数・割合は、つまりは各オケが定期でショスタコを取り上げる傾向をそのまま反映している。
因みに次に多いのが7番(レニングラード)だが、多いと言っても4回でしかない。

比較的多数回聴いている10番。
最高傑作だと書いてあるものもあるが、正直なところ一度も面白いと思ったことはないな。7番や13番の方がよほどか親しみやすいのだけど、これも修行が足らんか。

♪2025-023/♪みなとみらいホール-05

2025年2月14日金曜日

東京シティ・フィル第376回定期演奏会

2025-02-14 @東京オペラシティコンサートホール



藤岡幸夫:指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
東京シティ・フィル・コーア

ブラームス:交響曲第3番へ長調 作品90
伊福部昭:交響頌偈「釈迦」



好漢・藤岡ちゃんのプレトークが面白かった。
今日の2曲を指揮する幸福を熱弁したが、演奏も力が入り、リハもしっかりできたか、とても美しいアンサンブルだった。

特に、伊福部の、初聴き「交響頌偈(じゅげ)『釈迦』」の素晴らしいこと。

日本の音楽なのに、旋律が、西洋音楽に慣れた耳にはとてもエキゾチックで、土着の匂いやら哀愁やらがポコポコ立ち上る。
ほとんど単旋律で、重音も部分的にあったと思うけど、それは主要な旋律をこっそり味付けしている程度だ。
それで全曲にわたって、すっきりと掌握できる。

聴き終えて、取りこぼしがなかったとつくづく思った。
こういう経験は滅多にない。
帰りの車中ではすっかり忘れてしまっているのだけど。

前半のブラームスも大好物だが、これも良かった。
シティ・フィルとしては久々のヒットだと思ったよ。

♪2025-022/♪東京オペラシティコンサートホール-02

2025年2月10日月曜日

東京都交響楽団 第1016回 定期演奏会Aシリーズ

2025-02-10 @東京文化会館



エリアフ・インバル:指揮
東京都交響楽団
エストニア国立男声合唱団*
グリゴリー・シュカルパ:バス*

【ショスタコーヴィチ没後50年記念】
ラフマニノフ:交響詩「死の島」op.29
ショスタコーヴィチ:交響曲第13番変ロ短調 op.113「バビ・ヤール」*






2曲とも、生で聴くのは2回目。
「死の島」は東フィルで、「バビ・ヤール」はN響で。
いずれも初聴きの時の方が好印象を持った。

特に「死の島」での高域弦はキンキンと美しくなかった。よくあることだけど。

「バビ・ヤール」では、声楽のバスが独唱し、50人くらいの男声合唱が入るので弦は控えめになり、アンサンブルとしてはまとまりを見せたが、やはりN響とはだいぶ違うね。

バスのグリゴリー・シュカルパ氏はバスとも思えない明るいよく通る声で迫力満点。

♪2025-021/♪東京文化会館-02

2025年2月8日土曜日

NHK交響楽団2031回A定期 02月公演

2025-02-08 @NHKホール



ペトル・ポペルカ:指揮
NHK交響楽団
ラデク・バボラーク:ホルン*

ツェムリンスキー:シンフォニエッタ 作品23
R.シュトラウス:ホルン協奏曲第1番変ホ長調*
ドボルザーク:交響詩「のばと」作品110
ヤナーチェク:シンフォニエッタ
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ラデク・バボラーク:狩りのファンファーレ




ツェムリンスキーはオペラ以外はもっぱら都響で数回聴いたが、聴く度に初聴きばかり。いずれも面白いと思って聴いたものはない。
しかし、4日前に観たばかりのオペラ「フィレンツェの悲劇」は良かった。音楽がいいという訳ではないけど。

R.シュトラウス:Hr協第1番は素晴らしかった。
2番は何度か聴いているが1番は初聴き。

ラデク・バボラークはこれまで何度も聴いていたように思っていたけど、記録にないのが不思議に思う(後刻、記録を発見!日フィルを指揮したのを聴いていたがHrは吹いていない。)
ともかく、なんて巧いのだ!
過去、何人もの名人を聴いているが、この人はとびきりの名人だ。次元が違う。完璧に楽器を操っているのにただただビックリだ。
人柄も良さそうで、オケはもちろん、大勢の観客の心もしっかり掴んで、とても良い雰囲気だった。

ドボルザークまで3曲とも初聴き。「のばと」は、なるほどドボルザークらしいところもあったが、全体として共鳴できなかった。

大トリが、ヤナーチェク:シンフォニエッタ。
これは過去数回。最近ではN響+フルシャで聴いている。

管は大編成だ。そこに加えてTp11本とユーフォニアム2本の別働隊が加わり、第1曲と最終曲はこの別働隊とTympによるファンファーレ(コラールといった方が相応しい?)がとても華々しくて惹きつけられる。
もっとも、別働隊といっても、並んだのは、オケの最後列に横一列なので、本隊とほぼ一体だけど。2F左右のバルコニーから咆哮してくれたらもっとゾクゾクできたかも。

この最終曲の終わったあとの暫時静寂。フラ拍もなく、本当にGoodなタイミングで一斉に拍手が起こったのは気持ち良かった。
指揮者とオケと客席が気脈を通じた瞬間だ。

♪2025-020/♪NHKホール-02

2025年2月5日水曜日

新国立劇場オペラ「フィレンツェの悲劇」/「ジャンニ・スキッキ」

2025-02-04 @新国立劇場



指揮:沼尻竜典
演出:粟國淳
美術:横田あつみ
衣裳:増田恵美
照明:大島祐夫
舞台監督:斉藤美穂

管弦楽:東京交響楽団

●フィレンツェの悲劇
グイード・バルディ⇒デヴィッド・ポメロイ
シモーネ⇒トーマス・ヨハネス・マイヤー
ビアンカ⇒ナンシー・ヴァイスバッハ

●ジャンニ・スキッキ
ジャンニ・スキッキ⇒ピエトロ・スパニョーリ
ラウレッタ⇒砂田愛梨(三宅理恵の代役)
ツィータ⇒与田朝子
リヌッチョ⇒村上公太
ゲラルド⇒髙畠伸吾*/青地英幸
ネッラ⇒角南有紀*/針生美智子
ゲラルディーノ⇒網永悠里
ベット・ディ・シーニャ⇒志村文彦
シモーネ⇒河野鉄平
マルコ⇒小林啓倫*/吉川健一
チェスカ⇒中島郁子
スピネッロッチョ先生⇒畠山茂
アマンティオ・ディ・ニコーラオ⇒清水宏樹
ピネッリーノ⇒大久保惇史
グッチョ⇒水野優
*は2-4日のみ代役


アレクサンダー・ツェムリンスキー:
「フィレンツェの悲劇」
全1幕〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉

ジャコモ・プッチーニ:
「ジャンニ・スキッキ」
全1幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約2時間20分
フィレンツェの悲劇
 60分
 --休憩25分--
ジャンニ・スキッキ
 85分




新国立劇場の前回公演は6日前に観た「オランダ人」で、今回は間隔がとても短い。その前作にオランダ人の代役で登場した河野鉄平が「ジャンニ」にも引き続き登場していた。ご苦労なことだよ。

彼は今回は代役ではないが、「ジャンニ」では早くから発表されていたラウレッタ役(砂田愛梨)のほかに、インフルエンザに感染した3人が、急遽、今日と次回のみカバー歌手に代わった。
いやはや最近代役が多い。
公演間隔やカバーの立て方など問題が多いと思うが。

新国立劇場でこのWビルは19年に続き2回目でスタッフは全く同じだ。指揮は沼さん、オケは東響。東響は「オランダ人」でもピットに入っていたから、結構ハードだよ。

歌手が変わっただけの再演だが、今回の方がずっと洗練されていたと思う。


わずか3人しか登場しない「フィレンツェ」は緊迫感に富み、オペラというより心理サスペンスで、前回は腑に落ちなかった結末も、今回は説得力を感じた。

「ジャンニ」は大勢が登場するのでバラバラになりそうな話だが、こちらも前回に比べてずっと分かりやすい。2度目ということもあるだろうけど。

「私のお父さん」が馴染みすぎて、全体の中で浮いた感じになるのは仕方がないけど、あれがなくちゃつまらない。

舞台セットは、ガリバーの「巨人国」みたいに、部屋の調度や置き物は人間の大きさに比べてとても大きく作ってある。なぜそのようにしたのか分からないが、舞台美術としては、もしこれらの作り物が実物大であったら、舞台は実に平凡なものになってしまうだろう。うまくできているな、と思ったよ。

♪2025-019/♪新国立劇場-04

2025年2月2日日曜日

横浜交響楽団 第737回定期演奏会 【新春コンサート】

2025-02-02 @県立音楽堂



鈴木衛:指揮
横浜交響楽団
バイオリン:門岡亜純*

團伊玖磨:祝典行進曲
ハチャトゥリアン:バイオリン協奏曲ニ短調*
フランク:交響曲ニ短調
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ペタル・フリストスコフ:無伴奏バイオリンのための12の奇想曲から「リトル・トッカータ」*



祝典行進曲は吹奏楽を経験したものにはとりわけ懐かしく、時々は聴きたいと思っているだろうが、どっこい生で聴く機会が非常に少ない。記録を見れば、前回はなんと2014年の2月だというから11年間も聴いていなかったよ。

その時は横浜市消防音楽隊55周年記念演奏会だった。もちろん、本家吹奏楽版だ。

今回は、團伊玖磨が自ら横須賀交響楽団のために編曲したという管弦楽版だった。まあ、そうだろうな。横響が演奏するんだから。

ところが、う〜む。
イマイチだったな。
管弦楽版て、なんかスカスカ穴が空いている感じで、違和感大有りだった。やはり、吹奏楽版がいいね。
また11年待つのかな…。生きていないかもな。

ハチャトゥリアンのVn協が超絶技巧でけたたましかったな。

フランクのニ短調。好きな作品だが、今日の出来はイマイチ。とても、オルガン風の響は聴こえず。いつもデッドな響の音楽堂が、冬場の特徴かもしれない、一層乾いた音になっていたせいもあって、潤いのない合奏になった。

♪2025-018/♪神奈川県立音楽堂-03