2025年3月24日月曜日

グリダーレミッション バリトン & テノール リサイタル

2025-03-24 @かなっくホール



今井俊輔:バリトン
上本訓久:テノール
井向結:ピアノ

愛燦燦 (上本)
いのちの歌(上本)
イヨマンテの夜(上本)
遠くで汽笛を聞きながら
エーデルワイス(今井)
雪が降る(今井)
つれない心(上本)
プジレコの漁師(今井)
静けさに歌う(今井)
夜の声!(上本)
イコシ・ファン・トウッテより「優しいそよ風よ」(2)
運命の力より「アルヴァーロ、隠れても無駄だ」(2)
カルメンより「俺はエスカミリョ、グラナダの闘牛士だ!」(二重唱)
アルルの女りより「ありふれた話(フェデリーコの嘆き)」(上本)
トスカッより「星は光りぬ」(上本)
西部の娘より「やがて来る自由の日」(上本)
トゥーランドットより「誰も寝てはならぬ」(上本)
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オーソレミオ(2)ほか

順不同。歌手も変更あり。(2)はデュエット





Tn & Br リサイタル。
300人のホールに60人強しか入っていない。
2人ともオペラで何本か聴いているし、特に今井俊輔なんか、TV番組にも出ている有名な歌手なんだけど客席はガラガラ。その中に男子(爺)は2人だけ!

要するに、今日の会は、どこでコンサートやってもついて回るような熱心なファンのおばさまばかりの身内の発表会みたいなもので、進行も、客席と会話しながら和気藹々に進んだ。
場違いだったなあ。

上本の技量には不安を感じたが今井は強力だ。
2人ともオペラで鍛えた喉は、声が殺人凶器になることを証明しようとするかのようにグリダーレ(叫び)していたよ。

♪2025-041/♪かなっくホール-04

2025年3月20日木曜日

読売日本交響楽団第140回横浜マチネー名曲シリーズ

2025-03-20 @みなとみらいホール



鈴木優人:指揮
読売日本交響楽団

ジョヴァンニ・ソッリマ:チェロ*
遠藤真理:チェロ#

一柳慧:オーケストラのための「共存」
ソッリマ:「多様なる大地」(日本初演)*
ソッリマ:「チェロよ、歌え!」#*
ベートーベン:交響曲第7番イ長調 作品92
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ソッリマ:「When We Were Trees:Leaves Postcards」*




このところ凡打が続いたが、今日は期待していた。
演奏作品はなんでも良かった。

読響@みなとみらい。
Vc独奏がなんとソッリマ!
ついでにコンマスは大好きなバイオリン界の百済観音日下紗矢子。
これだけ揃えば期待せずにおれようか。

そして期待は裏切られることなく全部が素晴らしかった。

ソッリマは何度も聴いているが、つまらなかったことは一度もない。この「全身音楽家」は今日も大いに楽しませてくれた。
しかも新しい楽しさ=作曲家としても実に好感の持てる作品を書く。もちろん現代音楽だが、自己満足に陥るのではなく、俗っぽくもなく、良い塩梅の聴き手をくすぐるサービス精神がある。

演奏家としては、もう音楽に入り込んでその精神は音楽と一体となって爆発している。

この人のドボコンを2度聴いたが、そういう古典を演奏しても傑作なのだけど、今回彼の自作を聴いて、自作自演こそ彼の真骨頂が発揮されると得心した。

指揮の鈴木優人も良かった。特にベト7は良いノリだった。
大袈裟ではない、軽くもないが、まとまりの良い演奏だった。
もちろん読響のアンサンブルは極上だった。みなとみらいでこそ味わえる響だ。

我がマドンナ日下紗矢子嬢も、いつものように背筋を伸ばした美しいフォームは眼福モノだ。

CCが終わり、最後の最後、彼女がコンマスとして1人客席に向かって笑顔で頭を下げるところまで、餡のたっぷり詰まった特上鯛焼き君を味わうことができた。

♪2025-037/♪みなとみらいホール-06

2025年3月7日金曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第768回東京定期演奏会

2025-03-07 @サントリーホール



カーチュン・ウォン:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
合唱:東京音楽大学

ソプラノ:吉田珠代
アルト:清水華澄


マーラー:交響曲第2番ハ短調「復活」







「音楽は観るものだ」が持論だ。
今日の作品など、正にスペクタクルで、これをCDで耳からのみ味わうなんて無茶だと思う(かく言う僕もたまには時計代わりにながら聴きすることはあるけど。)。

弦は16型だがCbは10本。Tympは3組+バンダにも。HrもTpも6本ずつ(バンダは4本ずつ)。とにかく大所帯。

今日は振替席で前の方だったので弦のパート内分割がよく分かった。プルトを縦に分けたり前後で分けたり色々だ。Cbまで分けているのには初めて気がついた。

ベルアップも頻繁(悲鳴をあげているように見えて気の毒な感じ。)。
バンダの数も多いが、それがRA・LA・オルガンの両側の4つの出入り口から音だけ出る。次はどこ?まるでモグラ叩きみたい。

モグラ・バンダとは別に、オルガン前に金管8本用の譜面台が置いてあるが、いつ出て来るのやら…(最後の最後!)。

独唱は立ったり座ったり。合唱もSpと一緒に最初は着座のまま歌う。いつ立つんだ?

…とまあ、観ているだけでも忙しい。
そう言えば、合唱のSP席に男子1名が謎。


演奏の方も強力だったな。
冒頭の弦のトレモロがこれ以上力入らないと言うほどの爆音。

サントリーとは思えないほど響が良かった。
演奏も全編力技の連続。
ウォンちゃんの見せる演出が心憎い。
耳も驚かせるが目も驚かせて実にスペクタクル。
暗譜で振ったのも好感。

丸11年間で9回目の「復活」鑑賞記録中、是非は別にして一番見応えがあった。

♪2025-031/♪サントリーホール-02

2025年3月4日火曜日

新国立劇場オペラ「カルメン」

2025-03-04 @新国立劇場



指揮:ガエタノ・デスピノーサ
演出:アレックス・オリエ
美術:アルフォンス・フローレス
衣裳:リュック・カステーイス
照明:マルコ・フィリベック

【合唱指揮】三澤洋史
【合唱】新国立劇場合唱団
【児童合唱】TOKYO FM 少年合唱団
【管弦楽】東京交響楽団

【カルメン】サマンサ・ハンキー
【ドン・ホセ】アタラ・アヤン
【エスカミーリョ】ルーカス・ゴリンスキー
【ミカエラ】伊藤晴
【スニガ】田中大揮
【モラレス】森口賢二
【ダンカイロ】成田博之
【レメンダード】糸賀修平
【フラスキータ】冨平安希子
【メルセデス】十合翔子

ジョルジュ・ビゼー「カルメン」
全3幕〈フランス語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約3時間10分
 第1・2幕       95分
  休憩         30分
 第3幕1場/2場 65分





演出がAオリエになってからの新国・カルメンは全然楽しくない。無茶な読替え演出が全く意味をなしていないので、こんな設定で芝居をやらされる方は気の毒だと思う。

カルメン役のSハンキーの声が細くて迫力に欠けた。
前回のSドゥストラックの場合も同様だったが、第一声の「ハバネラ」が舞台奥から歌うので、余計に心許ない。

歌手陣は、ミカエラ(伊藤晴)を筆頭に日本人の出来が良かったな。

それはそれとして、やはり音楽の素晴らしいこと(Gデスピノーサ指揮東響)。ビゼーの音楽の、旋律の曲がり角みたいな繋ぎ部分まで魅力を感じた。


♪2025-030/♪新国立劇場-04

2025年2月24日月曜日

かなっくクラシック音楽部 フロイデコンサート 〜カシオペイア クァルテット〜

2025-02-24 @かなっくホール



カシオペイア・クァルテット
 渡辺美穂:Vn1
 ビルマン聡平:Vn2
 村松龍:Va
 弘田徹:Vc

S.バーバー:弦楽四重奏曲第1番 Op.11
P.グラス:弦楽四重奏曲第3番<MISHIMA>
A.ドボルザーク弦楽四重奏曲第12番くアメリカ>
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松任谷由美:春よ来い



カシオペイアSQは、かなっくホール以外の場所でも組んで公演をしているかどうか知らないけど、かなっく以外では聴いたことがない。ここでは、今日で3回目だ。
他のかなっくの公演でも各人が個々に、あるいはSQとして登場しているので、顔馴染み。
メンバーが楽しそうに和気藹々と演奏しているのはとても好感。

バーバーの1番の第2楽章は馴染んでいるし、名旋律だと思うが、両端楽章はあまり面白いとは思えない。

帰宅後、何でこんなに耳馴染んでいるのか?と考えて、遂に思い出した。
映画「プラトーン」の目にも焼き付いているジャングルでのWデフォーの絶命シーンだ。
Youtubeで何度も再生したが、もうこれは肺腑を抉るね。

グラスの作品は、消化が良くてほぼ抵抗感なしだけど、これって、楽しいのか?

やっぱり、ドボルザークの「アメリカ」こそ聴きものだった。

♪2025-027/♪かなっくホール-02

2025年2月23日日曜日

オペラ「オルフェオ」開館70周年記念 音楽堂室内オペラ・プロジェクト第7弾

2025-02-23 @県立音楽堂



指揮:濱田芳通
演出:中村敬一

アントネッロ(管弦楽)
 バイオリン:天野寿彦、吉田爽子、宮崎蓉子
 ビオラ:丹沢広樹
 ビオラ・ダ・ガンバ/リローネ:武澤秀平
 ビオローネ:布施砂丘彦
 コルネット:濱田芳通/細川大介
 コルネット/ナチュラル・トランペット:得丸幸代
 サクバット:南紘平/野村美樹/栗原洋介
 ファゴット:長谷川太郎
 リコーダー:織田優子
 リュート:高本一郎
 ハープ:伊藤美恵
 チェンバロ/ハープ:曽根田駿
 オルガン/レガール:上羽剛史
 パーカッション:立岩潤三

坂下忠弘(オルフェオ)
岡﨑陽香(エウリディーチェ)
中山美紀(ムジカ/プロゼルピナ)
彌勒忠史(メッサジェーラ)
中嶋俊晴(スペランツァ)
松井永太郎(プルトーネ)
今野沙知恵(ニンファ)
中嶋克彦(牧人)
新田壮人(牧人/精霊)


モンテヴェルディ:オペラ『オルフェオ』新制作
プロローグと全5幕
<イタリア語上演・日本語字幕付き>
神奈川県立音楽堂、兵庫県立芸術文化センター、アントネッロ 共同制作

予定上演時間:約2時間45分
 第1部  60分
  休憩    25分
 第2部    80分






モンテヴェルディの「オルフェオ」を初めて、それも古楽Ensで聴くことができた。実に良かった。堪能した。

音楽堂では過去に、モンテヴェルディの「…夕べの祈り」や「ポッペアの戴冠」を楽しんだが、ちょっと乾いた響が古楽にピッタリという感じ。

オケは「アントネッロ」で指揮の濱田芳通(リコーダー/コルネットの名手で時々楽器を持つ時は客席に向き直る)を入れて総勢19人の小編成だが、手にしている楽器が、古楽器ばかりなので、俄ピット(客席4列取り払った)はバロック楽器博物館みたい。

「…夕べの祈り」の冒頭も登場する「ゴンザーガ家の<音の紋章>」が「オルフェオ」にも冒頭演奏されることは知っていたが、今日は趣向が少し違った。アレ?と思ったが理由はプログラムに書いてあった。でも、少し遅れて<音の紋章>が華々しく始まると、もう、ワクワクする。

音楽は実に心地良い。しばらく経つと旋律に慣れてしまって、何となく付いて歌えるような親しみを覚えてくる。

ある意味、悲劇だけど、音楽は明るい。全然深刻な感じはなくて、強引な結末も、これはお祭りなんだなぁと納得する。

指揮活動を引退したミッキー(井上道義)の姿も休憩中のロビーで見た。血が騒いでいたのではないか。


♪2025-026/♪神奈川県立音楽堂-04

2025年2月16日日曜日

小林美樹&小林有沙 デュオリサイタル

2025-02-16 @リリスホール



小林美樹:バイオリン
小林有沙:ピアノ

ベートーベン:バイオリン・ソナタ第5番へ長調 Op.24「春」
武満徹/森山智宏編:さようなら~恋のかくれんぼ~めぐり逢い
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
R.シュトラウス/フバイ編:4つの歌から「明日の朝」Op.27-4
R.シュトラウス:バイオリン・ソナタ変ホ長調 Op.18
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マスネ:タイスの瞑想曲
モンティ:チャールダッシュ




小林美樹は、2014年に神奈川フィルのフレッシュコンサートで初めて聴いて以来、オケとの共演の他にもリサイタル、室内楽などでずいぶん多く聴いている。横浜出身というせいか、市内の小ホールでも聴く機会が多い。数えてみたら今日で14回目だった。
石田組長には遠く及ばないが、よく聴いていると思っていた神尾真由子より3回多い。てことは女性Vnでは1番かも。

今日のリリスホールは彼女が初めて本格的なリサイタルを開いたところだそうだ。お姉さんの有沙さんとの共演も2回目で、前回はブラームスのソナタ全曲@文化小が素晴らしかった。

今回のプログラムは、超有名曲と初めて聴く曲が混在していたが、さらっとやってのける超絶技巧が相変わらず正確で安定感があり、艶っぽい。

♪2025-024/♪リリスホール-01

全席指定 1階 F列 14番 3,000円