2024年11月4日月曜日

プロースト交響楽団 第40回定期演奏会

2024-11-04 @ミューザ川崎シンフォニーホール



石川征太郎:指揮
プロースト交響楽団

エルガー:エニグマ変奏曲 作品36
ブラームス:交響曲第2番二長調 作品73
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ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲からフィナーレ



このアマオケを聴くのは4回目@ミューザで、前回は2016年だった。
ずいぶん間が空いたが、多分会場がミューザではなかったので気がつかなかったのだと思う。

過去3回聴いて、いずれもオケは超特大で、今日も弦の編成は15-14-14-9と変則だが大きい。
過去はコンバスが10本並んでいたのを覚えている。

それが演奏に発揮されたか?

実は、JRのダイヤの乱れで開演に間に合わず、前半は聴いていないのでどんな出来だったか分からない。
後半ブラームス2番とEnc(これもブラームス)を聴いた。

これがどうも、良くなかった。

以前は3回とも感心する出来だったが、今回のブラームスは手強かったようだ。
確かに、プロオケでも、冒頭の短い楽句を各パートに受け渡すところは、よほど緊張感を維持できないとバラバラに聴こえてしまう。今回は、その陥穽に落ちたのではないか…と思った。
Encも同じでざわついたまま、終わった。

♪2024-148/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-13

2024年11月2日土曜日

全国共同制作オペラ プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」

2024-11-02 @ミューザ川崎シンフォニーホール




井上道義:指揮
森山開次:演出/振付/美術/衣裳

管弦楽:東京交響楽団
合唱:ザ・オペラ・クワイア
児童合唱:世田谷ジュニア合唱団
バンダ・ペル・ラ・ボエーム

ミミ:中川郁文
ロドルフォ:工藤和真
ムゼッタ:イローナ・レヴォルスカヤ
マルチェッロ:池内響
コッリーネ:松中哲平
ショナール:ヴィタリ・ユシュマノフ
ベノア:晴雅彦
アルチンドロ:仲田尋一
パルピニョール:谷口耕平
ダンサー:梶田留以、水島晃太郎、南帆乃佳、小川莉伯

プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」
全4幕/イタリア語上演/日本語・英語字幕付き/新制作

予定上演時間:約2時間40分
第1/2幕  70分
---休憩    25分
第3幕     30分
----休憩  20分
第4幕     30分



ミューザでの上演は、演奏会形式を超えたかなり本格的な舞台だった。コンサートホールでもこのような形でオペラが上演可能であることは、県民ホールや文化会館が休館中でも、演目の制限はあるにせよ上質の舞台を提供できることを示しており、大いに評価できる。特に2幕では、多くのキャストが舞台に
登場し、賑やかな演出は新国や日生も顔負けだ。

しかし、一部の観客にとっては鑑賞環境が問題となった。僕は1階前方列の中央席を購入したが、客席の最前列から4列がオケ・ピットとして使われ、加えて前2列の中央席が非売席だったので、実質最前列状態。
その結果、ミッキーの背中は我慢できるとしても、楽譜照明がまぶしく、特に指揮台の光が強力で鑑賞に集中できなかった。
1階席だけでなく2階以上でも指揮台の照明は邪魔になったのではないか?

このような問題は事前に確認すれば解決できたはずであり、スタッフは準備不足だ。また、チケット販売時に非売席売却済みを明示する配慮も欠けていた。

ダンスの挿入も大いに疑問。
劇の流れを妨げ、集中を削ぐ一因となった。

歌唱は、池内マルチェッロのよく通る声が素晴らしい。工藤のロドルフォは3回目で安心感。中川ミミは初聴き、まずまず。ムゼッタ、いまいち。

♪2024-147/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-12

2024年10月29日火曜日

バレエ「眠れる森の美女」

2024-10-29 @新国立劇場



【指揮】ギャヴィン・サザーランド
【振付】ウエイン・イーグリング(マリウス・プティパ原振付による)
【音楽】チャイコフスキー
【編曲】ギャヴィン・サザーランド
【美術】川口直次
【衣裳】トゥール・ヴァン・シャイク
【照明】沢田祐二

【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

【オーロラ姫】佐々晴香(SassaHarukaベルリン国立バレエ)
【デジレ王子】井澤駿
【リラの精】 米沢唯

眠れる森の美女 The Sleeping Beauty

上演時間:約3時間20分
プロローグ40分
  休憩25分
第Ⅰ-Ⅱ幕   65分
  休憩25分
第Ⅲ幕   45分




「眠れる森の美女」はコンサートで音楽だけ聴くこともたまにあるが、大抵は有名な「ワルツ」だけのことが多いので、文字どおり全曲を聴くのは何十年かぶりだった。バレエももちろん楽しみだったが、音楽全曲を聴くというのが一番だったかも。まず、聴いたことがないと思わせるような音楽はほぼない。耳に馴染んだ名曲の連射を、東フィルがいつもながら見事な演奏で、この点はまず大いに満足させた。

しかし、やはり、素晴らしいのはバレエだ。


今日の配役はオーロラ姫が佐々晴香というベルリン国立バレエのプリンシパルで、確か、当初のキャストから代わっての登場だったと思う。
リラの精が、特に選んで観ている訳ではないけど、これまでシンデレラ、白鳥の湖ほかで可憐なところを見せてくれている米沢唯。デジレ王子もお馴染みの井澤俊と、うまいへたは分からないけど、3人とも見事なものだ。

鍛えられた足腰の筋力に支えられた超人的なバランス感覚で、軽やかに舞って、実に優雅そのもの。
いやはや、ラグジュアリーなひと時を過ごしたよ。

♪2024-146/♪新国立劇場-11

2024年10月26日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第399回定期演奏会

2024-10-26 @みなとみらいホール



小泉和裕:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
清水和音:ピアノ*

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18*
プロコフィエフ:交響曲第5番変ロ長調 Op.100



小泉氏は、本当によく聴くよ。神奈川フィルと都響が圧倒的で、取り上げるのはほぼドイツもので、たまにチャイコやドボルザーク。
で、今日のラフマは初めて。プロコは2度目だが、前回も交響曲5番だった。

小泉氏はいつも安心して聴いておられるが、今日のラフマは少しテンポがゆったりだったのは、独奏者の好みなのか。

その清水和音は、大熱演で、こんなに力の入ったラフマ2番は珍しいよ。Pfは大音量でオケが隠れるくらいによく響いた。ロマンチックなのかエモーショナルか、とにかくたっぷりと歌った。案外こういうのがラフマの真骨頂かもと思った。

後半、小泉氏による2回目のプロコ5番。プロコの交響曲となるとたまに4-6-7番も聴くが大抵5番だ。馴染んでいるせいか、あまり抵抗感もないのだけど、今日は、前半でエネルギーを使ってしまったか、イマイチ入り込めなかったね。こんな日もあるよ。

♪2024-145/♪みなとみらいホール-36

2024年10月25日金曜日

横浜バロック室内合奏団定期演奏会111回 〜室内楽の喜び

2024-10-25 @みなとみらいホール



横浜バロック室内合奏団
Vn:小笠原伸子*=+/犬飼美奈*/梅原真希子*+/藤村陽子*
Va:百武由紀*+/橋本歩*+
Vc:間瀬利雄*=+/中垣文子*+
Pf:大瀧育彦=

モーツァルト:ディベルティメント変ロ長調 K137*
メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第1番ニ短調 Op.49=チャイコフスキー:弦楽六重奏曲ニ短調 op.70 「フィレンツェの思い出」+

----アンコール-----------------
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番ニ長調 作品11
から第2楽章アンダンテ・カンタービレ+




モーツァルト「嬉遊曲」が特に好きと言う訳でもないけど、続く2曲が大好物で、楽しみだった。

メンデルスゾーンのPfトリオは2曲あるけど、なぜか、生では1番しか聴いたことがない。2番もメランコリックで惹かれるのだけど。
1番は冒頭のチェロによる主題がたまらないね。
今日は、Pfが鳴り過ぎて弦に物足りなさを感じたな。

最後はチャイコの六重奏曲。
これも冒頭から鷲掴みにされるようなエモーショナルな旋律に思わず惹き込まれる。
編成は弦楽トリオを2組合わせたスタイルだけど、音楽はやはり6部に分かれていて、時に2本がユニゾンも演奏する。それを見ているのも興味深かった。
3-4楽章はどう考えてもロシア民謡風で特に終楽章は野趣溢れたロシア舞曲だ。
前半を含めどこがフィレンツェの思い出なのか分からないけど、魅力的な旋律がいっぱい仕込んであって、心地良い。

♪2024-144/♪みなとみらいホール-35

新日本フィル:すみだクラシックへの扉#26

2024-10-25 @すみだトリフォニーホール



上岡敏之:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団


ァルト:交響曲第39番変ホ長調 K.543
モーツァルト:交響曲第40番ト短調 K.550
モーツァルト:交響曲第41番ハ長調 K.551「ジュピター」


上岡ちゃんには癖がある。嵌れば面白い。
今日はモーツァルト最後の交響曲3曲をまとめて聴いて、大いに面白かった。

弦の編成はすべて12型。これに加わる管打楽器もいずれも小ぶり。
テンポは速めで、アンサンブルは上岡流に彫琢…というよりむしろ刈り込んだ感じで小気味良い。
中でも強弱の変化はこだわり抜いたか、ここまで弱音を求めるかと驚くほど。
あざとくなるスレスレで品よく保って、実に面白かった。

ほとんど弦楽合奏のような音楽だが、肝心の弦がとても良い出来。モーツァルトが聴いたらびっくりしたのじゃないか。こんな美しい演奏を聴いたことがないと言うのではないか、と思ったよ。

2024-143/♪すみだトリフォニーホール-07

2024年10月24日木曜日

東京都交響楽団 第1010回 定期演奏会Bシリーズ

2024-10-24 @サントリーホール



マーティン・ブラビンズ:指揮
東京都交響楽団
アンネリエン・ファン・ヴァウヴェ:クラリネット*

エルガー:序曲「南国にて(アラッシオ)」作品50
フィンジ:クラリネット協奏曲ハ短調 op.31*(1948-49)
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第9番ホ短調(1958)
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カイヤ・サーリアホ:DUFT II blühend *



3曲とも初聴きかと思いながら聴いていたが、エルガーは3回目、フィンジは2回目だった。

以前の鑑賞ノートを読み返せば、いずれも楽しめたと書いてあるが、今回は受け付けなかったよ。
演奏の問題ではなく、響が悪かった。

1曲目冒頭の弦がひどかったので、もうそこで許容限界に達した感じで、続く2曲を受け入れようとしないよ。

クラリネットも音が悪かったよ。

1週間前の東フィルの時も響は良くなかったが、季節的なものだろうか。まあ、年中通してサントリーの響はイマイチだよ。同じサントリーでもウィスキーの「響」はいいと思うが。

♪2024-142/♪サントリーホール-21