2025年8月16日土曜日

横浜みなととなみ管弦楽団 第17回演奏会

2025-08-16 @ミューザ川崎シンフォニーホール



児玉章裕:指揮
横浜みなととなみ管弦楽団
混声合唱:東京オラトリオ研究会
みなととなみ「千人の交響曲」合唱団
児童合唱:ゆりがおか児童合唱団

独唱:
 Sp見角悠代
 Sp朴瑛実
 Sp宮原唯奈
 Ms増田弥生
 Alt後藤真菜美
 Tn市川浩平
 Bar大井哲也
 Bs渡部智也

マーラー:交響曲第8番変ホ長調「一千人の交響曲」






その都度メンバーを集めて年に2回程度演奏会をやっているという、横浜みなととなみ管弦楽団。妙な名前だ。回文にするなら「横浜みなととなみ浜横管弦楽団」だろうに。

この聞いたこともないアマオケが「千人の交響曲」をやるって!ほんまかいな?

もちろん千人もいないけどやはり300人くらいは並んでいたかも。概略オケ100人、声楽200人の見当だ。N響でも何度か聴いたが「300人の交響曲」だった。過去に一番大規模なのは神奈川フィルが650人くらいだったかな(合唱が大規模だったということだが。)。

オケも合唱も、ある程度の規模になれば、あといくら増えても限界効用逓減の法則でさほど変わらないので、音楽的には300人くらいでちょうど良いのかもしれない。

とはいえ、大した数だから、アマオケがよくこんなに大勢の奏者、合唱団を集めたものだと感心する。

音楽が始まると、冒頭のオルガンと合唱でもう威圧され、そのまま、この大袈裟な世界に引き摺り込まれて85分間。
音の洪水を楽しんだ。

全体としてざわざわしていたけど、俄づくりのアマオケとは思えない迫力。いや、なかなか上手だったと思うよ。

♪2025-114/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-19

2025年8月13日水曜日

新国立劇場オペラ「ナターシャ」 <新制作 創作委嘱作品・世界初演>

2025-08-13 @新国立劇場



指揮:大野和士
演出:クリスティアン・レート
美術:クリスティアン・レート
   ダニエル・ウンガー
衣裳:マッティ・ウルリッチ
照明:リック・フィッシャー
電子音響:有馬純寿
振付:キャサリン・ガラッソ

【ナターシャ】イルゼ・エーレンス
【アラト】山下裕賀
【メフィストの孫】クリスティアン・ミードル
【ポップ歌手A】森谷真理
【ポップ歌手B】冨平安希子
【ビジネスマンA】タン・ジュンボ

【サクソフォーン奏者】大石将紀
【エレキギター奏者】山田 岳



細川俊夫:作曲「ナターシャ」
多和田葉子:台本
<新制作 創作委嘱作品・世界初演>

全1幕〈日本語、ドイツ語、ウクライナ語ほかによる多言語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約2時間35分
 序章〜第4場         70分
  休憩    30分
 第5場〜第7場 55分




不満だらけの新作だった。
そもそも「ナターシャ」と「アラト」は同一価値のキャストでありながら「ナターシャ」というタイトルが既に混乱している。ナターシャにヒロイン性はない。なら、同一に扱って「ナターシャとアラトの地獄珍道中」とでもすべきだった。

津波などで地獄に漂着した二人がなぜ地獄めぐりをするのか分からないし、ナントカ地獄を次々巡るのだが、その意味も分からん。
現代社会の地獄のような様相を切り取って社会批判にもなっているのだろうけど、それが何だよ。
そもそも主人公は漂着しただけで地獄に値する罪は犯していない。いや、なんの罪も犯していないのに、なぜ地獄めぐりなのか?

上方落語の名作「地獄八景(ばっけい)亡者の戯れ」を台本にしてこれに音楽を付けて抱腹絶倒のオペラにしてくれたらなあと切に思ったよ。

電子音楽を含むやかましい魅力のない音響。
客席内にはPAが特別に設置されていたらしい。
歌手もなぜかマイクを使って歌う場面もある。
アリアらしいアリアもなく、2人の主人公らしき男女も場繋ぎの役でしかない。



感心したのは、紗幕の使い方だ。3〜4層に幕を張ってそこにプロジェクションマッピングで状況が表現されるのがとてもよくできている。最後のスモークのコントロールも大したもんだなあ。

ま、そういう舞台装置の工夫には好感持った。
ゼッフィレッリの「アイーダ」なんか、全幕に全面紗幕だが全く意味がない。「椿姫」の最終幕に何で全面紗幕が必要なんだ。そういうつまらない紗幕の使い方が多い中で、今日の紗幕はこういうふうに使うんだ、というお手本のような活用法に胸の痞が降りた感じだ。

ああ、ついに今季も終わったか。有終の美は飾れなかったな。いや、そもそも不作の1年だった。

♪2025-112/♪新国立劇場-13

2025年7月24日木曜日

ランチタイムコンサート〜音楽史の旅 2025年② 〜フランスのピアノ〜

2025-07-24 @かなっくホール



大野謙:ピアノ
司会・解説:飯田有抄(音楽ファシリテーター)

〜オール ドビュッシー〜
「ベルガマスク組曲」からく前奏曲>
「前奏曲集 第1集」からく沈める寺>
「夢」
「版画」
 1 塔
 2 グラダナの夕べ
 3 雨の庭
--------------------------
喜びの島



このシリーズの前回がオール・ラヴェルで、音楽よりもこのホールに最適化されたかと思うような、鮮烈YAMAHAの響きに酔った感じだったが、後半寝てしまった。睡眠不足だったから。でも、ドビュッシーだったら寝ないのにと感想に書いている。

それでがんばった訳ではないけど、今回のドビュッシーは大いに楽しめた。

今回も、YAHAMAが実に豊かな響だ。
YAHAMAをこんなにきれいに鳴らすホールはほかにないのではないか?

音楽以前に、音を聴いているだけで幸福だよ。

尤も、今回は高域の1音が整音不良?ではなかったかと思う音があったが、気のせいだろうか。

8月にも、同じ大野くんの演奏会があるので、じっくり聴いてみよう。

♪2025-100/♪かなっくホール-10

2025年7月23日水曜日

東京都交響楽団 第1024回 定期演奏会Aシリーズ

2025-07-23 @東京文化会館



アラン・ギルバート:指揮
東京都交響楽団

ブラームス:交響曲第3番へ長調 Op.90
ブラームス:交響曲第4番ホ短調 Op.98






ブラームスは演奏が難しいなあ、といつも思う。
これは見事、という記憶が…あまり無いような気がする。

1〜4番のいずれも、出だしがくっきりスッキリしていないので、もやもやした感じになり、緊張感が維持できない。

今回も、そんな感じだ。




♪2025-099/♪東京文化会館-07

2025年7月19日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第406回

2025-07-19 @みなとみらいホール



シュテファン・ヴラダー:指揮/ピアノ
神奈川フィルハーモニー管弦楽団


モーツァルト:交響曲第31番ニ長調 K.297「パリ」
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
モーツァルト:交響曲第41番ハ長調 K.551「ジュピター」
-----------------------
シューベルト:4つの即興曲 作品90-3 変ト長調 アンダンテ



随分久しぶりに大江くんが古巣に戻って客演でコンマスを務めた。それで良かったかどうかは分からないけど、オール・モーツァルト・プログラムを楽しんだ。

この手の企画はそう珍しくもないけど、全部が良かったというのはそうそうない。

指揮兼ピアノのシュテファン・ヴラダーは、以前シティ・フィルで「皇帝」を聴いたが、良い印象は残っていなかった。ピアノがどうこういうよりオケとピアノのアンサンブルに疑問を感じた…と7年も前の感想に書いてあった。

しかし、今日の演奏は、これは神奈川フィルが良かったのか、2者の相性が良かったのか、いやいや大江くんのリードも良かったのかもしれないが、弦12型のコンパクトな編成で、小気味良い演奏だった。

欲を言えば、Pf協が残念。
弾き振りなので、やむを得ないかもしれないが、Pfを縦方向に置き、屋根を取り払って、お客さんに尻を向けて弾いたり、振ったりだ。

尻を向けるのは構わないけど、屋根がないPfはこれまでも何度も経験しているが、音が良くない。客席に響いてこない。
P席とか舞台周りの客席には好都合だろうけど、1階席では音が飛んでこない。演奏はとても好ましいものだったが、その点が残念だ。
モーツァルトのPf作品だもの、普通に横に向けて屋根をつけて演奏しながら指揮もできたのではないか。

ピアノで弾き振りする場合は、是非ともその方法を開拓してほしいよ。


♪2025-098/♪みなとみらいホール-21

2025年7月18日金曜日

N響「夏」2025

2025-07-18@NHKホール



ダーヴィト・アフカム:指揮
NHK交響楽団
マルティン・ヘルムヒエン:ピアノ*

シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 作品54*
ブラームス:交響曲第1番ハ短調 作品68 
--------------------------
シューマン:「森の情景」作品82-第7曲「予言の鳥」*
シューベルト:「ロザムンデ」間奏曲第3番






逡巡した挙句、7月は回数が多すぎるので一度は断念した。が、ブラームスとシューマンというプログラムに惹かれて、遅まきながら買ったので、良い席が残っておらず3階席の前方中央で我慢することにしたが、3階席なんてもう10年ぶり?もっと前かも。

どうも1階席で慣れた耳にはまるで響きが違う。

なかなか音楽に入ってゆけない。
自分の気持ちと戦っているうちの終わってしまった。


♪2025-097/♪NHKホール-06

2025年7月13日日曜日

読売日本交響楽団第143回横浜マチネー名曲シリーズ

2025-07-13 @みなとみらいホール



シルヴァン・カンブルラン:指揮
読売日本交響楽団
リーズ・ドゥ・ラ・サール:ピアノ*

バーンスタイン:「キャンディード」序曲
ガーシュウィン:ピアノ協奏曲ヘ長調*
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲(弦楽合奏版)
ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」
----------------------
メシアン:おお、聖なる饗宴よ*



遅刻しそうになって、客席に入るともうオケが並んでいる。自席に座る時間的ゆとりはあったが、同じ列の人に迷惑だし、ちょうど最後列の通路側が空いていたので1曲はそこで聴くことにした。みなとみらいの最後列はもちろん初めて。
このホールも23列目?以降は2階席の床下なので響きが悪かろう…と思っていたが、案外そうでもなくて間接音もよく聴こえてきたのには驚く。でも、音圧は不足だけど。


読響のプログラムは、曲の解説はあっても、その日のプログラムのコンセプトに関しては何にも書いてない。だから、今日のようなごった煮に何か共通するものがあるのかどうか分からない。

後半の2曲は、いわば耳タコだけど、前半は複数回聴いているけど多くないので、旋律の切れ端にさえ耳覚えがない。

ガーシュウィンのPf協はそこここにガーシュウィン印が刻印されていた。Pf独奏もオケとよく合わせ、キラキラ輝く音色で良かったが、Encがつまらなかったな。単に和音をボンボンと連ねているだけの作品で面白みもなく、Pfの良さも感じられない。


後半のルーマニア民俗舞曲は大好物だが、やはり原曲のPf演奏又はPfとVnくらいの編成で聴きたい。弦楽合奏では品がありすぎて民俗舞曲とは思えない。また、テンポもゆっくりすぎた。

5月に日フィルはEncで演奏したが、この時はとても「臭くて」良かったのだけど。

展覧会の絵は、読響ブラスが咆哮してヨシ!


♪2025-096/♪みなとみらいホール-020