2024年12月28日土曜日

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第九特別演奏会/「第九」⑪

2024-12-28 @東京文化会館



藤岡幸夫:指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
東京シティ・フィル・コーア

ソプラノ:森野美咲
メゾソプラノ:林美智子
テノール:村上敏明
バリトン:平野和

ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125




今年最後(11回目)の「第九」だ。好漢、藤岡ちゃんの「第九」は初めて聴くが、ちょいと色気のある、遊び心に溢れたのを期待したが、全然変わったところもなく、実にオーソドックス。

「第九」の最後であったが、同時に鑑賞生活の最後でもあった。1年を締めるのにはこういうかっちりした音楽で良かったかも。

今年は184ステージを鑑賞した(オペラ、文楽等も含む)。鑑賞減量に努めたので、昨年より△44となった。
来年も厳選して減量に努めよう。

だいたい、いくら好きでも「第九」を11回も聴くなんて異常だよ。反省!反省!

♪2024-184/♪東京文化会館-10

2024年12月25日水曜日

東京都交響楽団 都響スペシャル「第九」/「第九」⑩

2024-12-25 @東京文化会館



小泉和裕:指揮
東京都交響楽団
新国立劇場合唱団

ソプラノ:迫田美帆
メゾソプラノ:山下裕賀
テノール:工藤和真
バリトン:池内響

ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125





小泉師の「第九」は少なくとも3回目。それに師のドイツもの、特にベートーベンは頻繁に聴いているので、なんとなくしっくりくる。
一昨日の大植劇場の超「第九」の後だから余計に「正統」さが際立つ。ケレンはないし遊びなんてとんでもない。求道者のような「第九」が喉越し良く、何の引っかかりもなく腹に収まった。こういう「第九」も素晴らしい。

2-3楽章の間に独唱者が入った。そこで客席から躊躇いがちな拍手が起こった。師はやや振り返ってそれを制したが、すぐには収まらなかった。
小泉師の時には余計なことして彼の神聖な時空を歪めちゃいけないんだよ。

♪2024-183/♪東京文化会館-09

2024年12月24日火曜日

SOSHIN GIRLS' SCHOOL BRASS BAND CHRISTMAS CONCERT 捜真女学校吹奏楽部 クリスマスコンサート

2024-12-24 @かなっくホール



捜真女学校吹奏楽部

第1部
Brandon Bay
Military Escort
Joyful and Triumphant
Theme De Sebastian
Misty
What Child Is This?

第2部
#1090〜Thousand Dreams〜
セーラー服と機関銃
キキ・ワンダーランド
RYDEEN
ドクターXのテーマ




捜真女学校の吹奏楽部のクリスマスコンサート。この学校は歩いても行ける場所にあって、前を通ったことがある。でも、なんの縁もないのだけど。
138年の歴史のある学校で、今も「女学校」の名を冠するのは東京の香蘭女学校と2校だけらしい。横浜でもそこそこのお嬢さん学校と聞く。

お嬢さんたちがどんな演奏をするのかという興味と、ずいぶん長く吹奏楽を聴いていないので聴いてみたい。そして至近距離のかなっくホールで、今日は連日の「第九」の谷間でもあり、好条件が揃って聴きに行った。

しかし、第一声を聴いて、こりゃ金賞は獲れないなと思ったよ。もう少し上手でもいいのでは?

進行を生徒がやったが、その説明で、この吹奏楽部は中・高混成であること、高校生は昨秋の定期演奏会を最後に事実上退部しているので、今日参加したのは4人(20名中)だけで、ほとんどが中学生である、と知って、納得した。まだまだ発展途上なんだ。

また、プログラムにも驚いたね。
知っている曲が数曲しかない。

現代の子供たちの吹奏楽の世界は、僕が経験した世界とはもう異次元なんだよ。


♪2024-182/♪かなっくホール-10

2024年12月23日月曜日

神奈川フィル川崎公演「第九」/「第九」⑨ 〜川崎市市制100年を祝う“歓喜の歌” 初演200年!

2024-12-23 @ミューザ川崎シンフォニーホール



大植英次:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
神奈川ハーモニック・クワイア

ソプラノ:宮地江奈
メゾソプラノ:藤井麻美
テノール:村上公太
バリトン:萩原潤

モーツァルト:歌劇「バスティアンとバスティエンヌ」K50(46b)序曲
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125



大植ちゃんて、いつも何かやってくれそうと期待してしまうが、初めて聴く「第九」で、予想以上の弾け方に降参です。

前座の初聴き、モツ序曲に、まずは驚いた。
弦8型?高域から8-6-4-2-1だ。これにHr2、Ob2という極小サイズの編成に驚く。主題がベト3番の栗卒に驚く。始まったらあっという間に(100秒)終わったのに驚く。

問題は「第九」だ。

まずP席やオケ周りにお客を入れていないので、大合唱団が並ぶのかとも思ったが、合唱席は舞台後方に椅子が並べてある。結局、P席では大植ちゃんの演出が楽しめないから売らなかったのだろうか?

前座が終わった時点で合唱団が入るのかと思ったが、入らない。3楽章の前に入るかと思ったが入らない。4楽章の前に入るのかと思ったが入らないで4楽章が始まった。

先に入ったのは独唱者だ。
もう直ぐBrの出番だという少し前に1人で…。
暫時あってTn。以下1人ずつ登場し、中央の定位置付近に集まってお互いが握手やハグで「おお、友よ!」を演じた。

歓喜のテーマがTpに回ったクライマックスに合わせて合唱団が参加する。独唱者と合唱団はお互いに会えて良かったなあという演技だ。途中、男声は酒盛りの仕草だ。

なんとクサイ…と思いながらも、ちょいと感動的でもある。みていても恥ずかしいくらいの演出だが、面白い。

実は、神奈川フィルは6月の「第九」でも声楽の扱いは同じだった。その時より、所作が練れて不満はなかった。

演奏面では、1楽章ではさほど気にならなかったが、2楽章も3楽章も自在なテンポ設定。
終楽章ではもうやりたい放題で、かつてのコバケン先生の遊びよりスーパーだ。楽譜に書いてないぞ!なんて言っても始まらない。もう、どうか、お好きに、存分にやってください、という気持ち。

到底受け入れられないという人も多いだろうけど、僕は面白かった。
完全に鑑賞記録している過去11年間で「第九」は88回聴いたが、今日の大植「第九」が最もエキサイティングだった。その前にもかくほどの印象を残した演奏は思い出せない。
今年は後2回残しているが、聴かずともこれを超える演奏はないと確信する。

音楽鑑賞史に残る大事件だ。「大植劇場」と名付けよう。

♪2024-181/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-18

2024年12月22日日曜日

名曲全集202回 東京交響楽団/秋山「第九」⑧

2024-12-22 @ミューザ川崎シンフォニーホール



秋山和慶:指揮
東京交響楽団
合唱:東響コーラス

ソプラノ:盛田麻央
メゾソプラノ:富岡明子
テノール:城宏憲
バスバリトン:加藤宏隆

ベートーベン:「レオノーレ」序曲第3番 作品72
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125
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蛍の光








毎年たくさんの「第九」を聴いているが、同じ指揮者とオケの組合せで回数多く聴いているのは秋山「第九」のみで、群を抜いていて多い。
僕の「第九」の血肉を形作っているのは秋山翁の「第九」かも。

東響とのコンビはもう47年目かな?
このギネスものの「第九」が某音楽監督に看板の座を奪われたのも悔しいことだよ。

近年では、安定・安心の秋山「第九」を聴いてこそ穏やかに年を越せる、という暮のお宮参りみたいなものだ。

元気で毎年この演奏を聴きたい。
年が明ければ84歳の、秋山翁が振る限り僕も元気で聴きにゆきたいものだ。


♪2024-180/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-17

2024年12月21日土曜日

日フィル横浜第403回定期演奏会 「第九」⑦

2024-12-21@みなとみらいホール



下野竜也:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
東京音大合唱団

ソプラノ:富平安希子
メゾソプラノ:小泉詠子
テノール:糸賀修平
バリトン:宮本益光

ニコライ:歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125







昨日と同じみなとみらいで弦の編成も同じ。しかし、響が軽い。弦は何人か間引運転しているのではないかと思う程だった。軽快というのとは違う。

下野ちゃんの「第九」は4回目で、日フィル、神奈川フィル、読響、昨年はN響「第九」を振った。毎回の演奏をしっかり覚えている訳ではないけど、大体早めで、特に4楽章は疾走する。そのせいか、今年の「第九」7回目だが、低弦のレシタはこれまでのところ、一番痛快だった。

最初、軽さに不満を覚えていたが、だんだんよく鳴る何とやらで、終盤は厚く・熱く盛り上がり、終わりよければすべてよし。

声楽独唱の登場の仕方が独自で4楽章途中から。
彼は前にも読響の時にそういう登場の仕方を選んだ。
N響の時は違ったのに。
途中の拍手で緊張を解かないという考えだろうか?

その独唱者の並び方が変わっていて、下手からSp-Tn-Br-Msだ。こちらの独自にどういう効果があるのか分からない。


♪2024-179/♪みなとみらいホール-45

2024年12月20日金曜日

新日本フィルハーモニー交響楽団 「第九」特別演奏会 「第九」⑥

2024-12-20@みなとみらいホール



佐渡裕:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
栗友会

ソプラノ=高野百合
メゾ・ソプラノ=谷口睦美
テノール=笛田博昭
バス=平野和

ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125







同じ指揮者とオケとの組み合わせで同じ曲=「第九」を聴くというのは秋山「第九」& 東響がダントツだけど、それに次ぐのが(という程でもないけど)佐渡「第九」& 新日Fが3年連続で、会場も同じみなとみらい。
独唱もMsが変わったほかは同じ。

2年前にこの組合せで初めての「第九」を聴いて、好感したが、昨年はイマイチ。他の曲でも最近の佐渡ちゃんは要観察だと思っていたが、今年の良い出来には驚いた。

弦がきれいだ。一昨日のN響を思い出す良いスタート。
その後も、アンサンブルがいい。力強い。ケレン味は影を潜めている。

いやはや、昨年気になったことが全て修正済みだというのには驚いた。オケを手中にしているという感じだ。

一昨日のN響は味わい深いコンソメだったが、今日の新日フィルは濃厚なポタージュだ。好みが分かれるかもしれないけど。

♪2024-178/♪みなとみらいホール-44

2024年12月18日水曜日

NHK交響楽団「第九」演奏会 「第九」⑤

2024-12-18 @NHKホール



ファビオ・ルイージ:指揮
NHK交響楽団
新国立劇場合唱団

ヘンリエッテ・ボンデ・ハンセン:ソプラノ
藤村実穂子:メゾ・ソプラノ
ステュアート・スケルトン:テノール
トマス・トマソン:バス・バリトン

ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125





今年5回目の「第九」。残り6回にして早くもベスト1だろうな。
先日の読響も良かったけど、やはり、第一声が美しい。個人技も安心。一番不安にさせるのがHr(特に3Mov)だが、なんて巧いの!実にさりげなく通り過ぎた。

4Movの低弦レシタもいつの間にか入って終わっている感じ。特別な聴かせどころという力みなし。

Fルイージ初めてのN響「第九」だと言うから、派手に鳴らすのかと思ったが、弦16型だけど全体に地味で滋味のある「第九」だ。

声楽Bsが少し突飛な入り方をしたけど、ここは普通にやってほしかったな。


プログラムにルイージが書いている1-2Movに表れているベートーベンの葛藤を読んで、長年の痞えが下りた感じがしたよ。モヤモヤした思いがするのは、なるほどそう言うことだったのかと納得できたような気した。

それで、今日から「第九」の聴き方が変わったような…。



♪2024-177/♪NHKホール-10

2024年12月17日火曜日

令和6年12月文楽公演 第三部

2024-12-17 @県立青少年センター




●第三部 (午後6時45分開演)
野澤松之輔=脚色・作曲
曾根崎心中(そねざきしんじゅう)
 生玉社前の段
 天満屋の段
 天神森の段 






2公演を1日で観たので文楽漬けだったが、全然没入できなかった。字幕がないから。

全作品、数回は鑑賞済みなのでどういう話かは分かっているが、念を入れた詞章を味わう楽しみは別次元だ。

字幕なしで江戸時代の大阪の言葉を、それも掛け言葉やしゃれ、語呂合わせをふんだんに使う言葉遊びの世界でもあるのに耳からだけで理解できる訳がない。

自分のスマホで字幕アプリが使えます、と
は国立劇場のホームページや会報「あぜくら」にも書いてある。

それは、通常の字幕のほかに使うこともできるという意味だと考えていた。それで一応アプリもDLしておいたが、使う気はなかった。

ところが、まさかの「字幕なし」だよ。

途中からやむを得ず「字幕アプリ」を使ってみたが見づらいこと甚だしい。遠い舞台と手元のスマホに焦点を合わせられるお客はどれだけいるか?ほとんど高齢者ばかりなのに。

有料プログラムもいつも買っているが、買いたくない人もいるだろう。それに、演出によっては(今日の第三部「曾根崎心中」のように)客電も落とした薄暗い中で読めたものではない。
字幕なしで文楽が楽しめる者がどれほどいるだろう?

漂流する国立劇場は、お客様サービスも考えられないほどの迷走ぶりだ。

十数年、あぜくら会会員として、国立の歌舞伎と文楽は余程のことがない限り欠かさず観て来たのに、次回以降も字幕なしではもう止めようかしらと思う。


♪2024-176/♪県立青少年センター-2

令和6年12月文楽公演 第二部

2024-12-17 @県立青少年センター



●第二部 (午後2時30分開演)
一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)
 熊谷桜の段
 熊谷陣屋の段

壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)
 阿古屋琴責の段 






2公演を1日で観たので文楽漬けだったが、全然没入できなかった。字幕がないから。

全作品、数回は鑑賞済みなのでどういう話かは分かっているが、念を入れた詞章を味わう楽しみは別次元だ。

字幕なしで江戸時代の大阪の言葉を、それも掛け言葉やしゃれ、語呂合わせをふんだんに使う言葉遊びの世界でもあるのに耳からだけで理解できる訳がない。

自分のスマホで字幕アプリが使えます、と
は国立劇場のホームページや会報「あぜくら」にも書いてある。

それは、通常の字幕のほかに使うこともできるという意味だと考えていた。それで一応アプリもDLしておいたが、使う気はなかった。

ところが、まさかの「字幕なし」だよ。

途中からやむを得ず「字幕アプリ」を使ってみたが見づらいこと甚だしい。遠い舞台と手元のスマホに焦点を合わせられるお客はどれだけいるか?ほとんど高齢者ばかりなのに。

有料プログラムもいつも買っているが、買いたくない人もいるだろう。それに、演出によっては(今日の第三部「曾根崎心中」のように)客電も落とした薄暗い中で読めたものではない。
字幕なしで文楽が楽しめる者がどれほどいるだろう?

漂流する国立劇場は、お客様サービスも考えられないほどの迷走ぶりだ。

十数年、あぜくら会会員として、国立の歌舞伎と文楽は余程のことがない限り欠かさず観て来たのに、次回以降も字幕なしではもう止めようかしらと思う。



♪2024-175/♪県立青少年センター-1

2024年12月15日日曜日

読売日本交響楽団第138回横浜マチネー名曲シリーズ 「第九」④

2024-12-15 @みなとみらいホール



フランチェスコ・アンジェリコ:指揮
読売日本交響楽団
新国立劇場合唱団

ソプラノ=中村恵理
メゾ・ソプラノ=清水華澄
テノール=ダヴィデ・ジュスティ
バス=エギルス・シリンス

ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125







Vn1の高域とSpの高域が軋んで美しくない…という残念さを孕みつつ、しかし、元気な「第九」だった。やたら疾走するばかりではなく、歌心もヨシ。

低弦のレシタは良いテンポ感だったが、まだ全員の息が合っていない感じだった。これからもっと良くなる?

♪2024-174/♪みなとみらいホール-43