2025年6月29日日曜日

読響 第278回 日曜マチネシリーズ

2025-06-29 @東京オペラシティコンサートホール



セバスティアン・ヴァイグレ:指揮
読売日本交響楽団
児玉隼人:トランペット*

ロッシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」序曲
ヴァインベルク:トランペット協奏曲変ロ長調 作品94*
サン=サーンス:交響曲第3番ハ短調 作品78「オルガン付き」
-----------------
シャルリエ:36の超絶技巧練習曲から第1番*





「序曲」の冒頭のVc5人の独奏がモヤモヤとはっきりせず、こりゃダメだ!と思った。
最初に躓くと、立て直しが容易ではない。中盤以降面白くはなったが、とても読響とは思えない。

2曲目。ちょうど1W前のM.ブルネロがプログラムの半分をヴァインベルクの作品に充てていたが、最近、ちょいちょいこの作曲家を聴く機会がある。
その初聴きのTp協が結構面白くて気分を取り直した。
作品の面白さと以上に、独奏した16歳の児玉隼人の妙技に唸らされた。
楽器と身体は一体になって、道具を操るというより、彼が歌ったままが楽器から出ているという感じで、これにはびっくり。

後半、サン=サーンスのガン付き。ま、どのオケが誰の指揮でやってもまずは楽しめる作品だけど、ここへきて読響は弦の透明感とブラスの凄まじさが相まって、上出来だった。

ただし、今日は、振替の右翼席で、目線の先はVaの最後列とCb群だ。旋律を弾くVn1は遥か下手で、時々リズムの刻みがずれているように聴こえた。

それで読響の力演にもかかわらず三半規管が故障しているような気分にさえなった。

♪2025-086/♪東京オペラシティコンサートホール-09

2025年6月22日日曜日

マリオ・ブルネロ 無伴奏チェロ・リサイタル

2025-06-22 @フィリアホール



マリオ・ブルネロ:チェロ


M.ヴァインベルク:無伴奏チェロ・ソナタ第1番 Op.72
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調 BWV1008
M.ヴァインベルク:無伴奏チェロ・ソナタ第2番 Op.121
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV1007
---------------------
M.ヴァインベルク:24の前奏曲から第21番
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第5番からサラバンド

ミェチスワフ・ヴァインベルク⇒1919-1996
J.S.バッハ⇒1685-1750




ブルネロは放送録画では何度も聴いているけど、生演奏は初めてだったが、今回は、ナマの凄さを痛感した。

なんと言っても音がいい。これぞチェロの音だ。こんなに豊かな音色はずいぶん久しぶりで、思い出すのは東京春祭で何度か聴いたベルリン・フィルの室内楽の、あのチェロの音に近い。

フィリアホールとの相性が良かったのか、もちろん楽器もとても良いものなんだろうな。

M.ヴァインベルクの無伴奏(1919生)とJ.S.バッハ(1685生)の無伴奏を交互に演奏した。

前者のチェロ作品は初めて聴く(Pfソナタはアヴデーエワで聴いたことがあったが、名前はすっかり忘れていた。)。
もちろん現代作品なので、最初は無調というか、音程もしかと定まらない感じで始まったのでひょっとして微分音を使っているのかと思ったくらいだったが、徐々に旋律らしきものが浮かび上がってくると、まあ、普通の現代音楽で、ショスタコと親交が深かったそうだが、ショスタコ印がところどころに顔を出す。ブルネロはこの作品をJ.S.バッハ以後の最重要な作品群と言っているが、その深さは分からない。

バッハを弾くときは、実に丁寧なアプローチで、何か、深遠な世界に連れてゆく気なのか?と思ったりしたが、こちらにそれだけの鑑賞眼はないけど。

しかし、こういう演奏を聴けて本当に良かったと思った。いつも本物の演奏を聴いているはずだけど、今日のブルネロの、特にバッハは正しく本物の音楽で、しみじみと美しかった。


Encもこの両者の作品だった。
驚いたのは、ヴァインベルク:24の前奏曲から第21番という作品だ。これは冒頭から、ショスタコのVc協とそっくりだ。似てしまった、というレベルではなく、確信的に模倣している。オマージュなのかもしれないけど、冗談みたいに聴こえたな。

♪2025-085/♪フィリアホール-04

2025年6月21日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 Dramatic Series 楽劇「ラインの黄金」

2025-06-21 @みなとみらいホール



沼尻竜典:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

青山貴⇒ヴォータン
黒田祐貴⇒ドンナー
チャールズ・キム⇒フロー
澤武紀行⇒ローゲ
妻屋秀和⇒ファーゾルト
斉木健詞⇒ファフナー
志村文彦⇒アルベリヒ
高橋淳⇒ミーメ
谷口睦美⇒フリッカ
船越亜弥⇒フライア
八木寿子⇒エルダ
九嶋香奈枝⇒ヴォークリンデ
秋本悠希⇒ヴェルグンデ
藤井麻美⇒フロースヒルデ

Dramatic Series
ワーグナー:楽劇『ニーベルングの指環』序夜
「ラインの黄金」<セミステージ形式>

全1幕〈ドイツ語上演/日本語字幕付〉

予定上演時間:
約2時間30分(休憩なし)




過去鑑賞分を含め最上の「ラインの黄金」だった。
冒頭の、ラインの水煙や水の流れを表す低音の持続音に少しずつ音が重なって同じ音形を繰り返しながら徐々に音量を増すところの緊張感がまずは見事で、弦も管も美しい。
弦は16型で、総勢100人以上いたのではないか…特大編成のオケが、ピットとは異なり、見事に明瞭に唸る様が実に聴きものだった。みなとみらいホールの鳴らせ方を熟知している沼さんと神奈川フィルの最良の演奏を聴いた思いだ。

今後、「ワルキューレ」〜と全作を是非ともやってほしい。

残念だったところは、P席と左右の舞台周りのRA、LAを潰したのなら、そこをうまく活用してもっと芝居に立体感を持たせられなかったか?
照明もかなり大掛かりな機材が別途持ち込まれていたが、プロジェクターマッピングも駆使できなかったか?



歌唱は1人を除いてとても良かった。
最初はラインの乙女から始まるが、これが良い出来で、もうすっかり惹き込まれた。

残念なのは、ヴォータンと並んで大役のアルベリヒ役の志村文彦で、一人だけ譜面台にしがみついていた。これでは芝居が流れない。この神奈川フィルのDramatic Seriesの第1作「サロメ」でも一人だけ譜面台を持ってうろうろしたのがいたが、この場合は急遽の代役だったからやむを得ない。しかし、今回は代役でもないのに譜面台はよくない。また彼の舞台は何度も聴いているが、歌唱そのものも以前の巧さが感じられなかった。

ま、そこは目を瞑って、全体としてはまたとない優れた演奏・演唱だった。



ところで。
2時間半は長すぎるよ。5時間を超えるオペラもあるけど、必ず幕間休憩が入るもの。1幕もので150分は最長だと思うな。

♪2025-084/♪みなとみらいホール-017

2025年6月20日金曜日

横浜弦楽四重奏団 横浜みなとみらいホール定期演奏会 Vol.08

2025-06-20 @みなとみらいホール



横浜弦楽四重奏団
 Vn:小笠原伸子、有馬希和子
 Va:百武由紀
 Vc:間瀬利雄
Pf:堀江真理子*


モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番変ロ長調 K.458「狩」
フォーレ:ピアノ五重奏曲第1番ニ短調 作品89*
ドビュッシー:弦楽四重奏曲ト短調 作品10
------------------
ラヴェル:水の戯れ*
ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女(SQ版)





モーツァルトは定番だが、今日は珍しくフォーレ、ドビュッシー、ラヴェルとフランスものがメインだった。

モツ「狩」の出来も良かったが、客演ピアニストを招いたフォーレのPf五重奏曲第1番が素晴らしかった。
初めて生で聴いたが、魅力的な音楽だこと。

ピアノの堀江真理子さんは初めてだったが、演奏者、教育者というだけではなく、フォーレに関しては相当な専門家?らしい。上手い下手は分からないけど、冒頭の柔らかいアルペジオが実に美しく、それにVn2が主題を載せるのだけど、これも良い感じで、もう最初に引き込まれてしまうと、大抵最後まで良い感じで終わるものだ。

この作品は、また聴いてみたい。

ピアノの独奏Encがラヴェルの「水の戯れ」。これは聴く機会が多いが、ぼんやりした戯れではなく明瞭な戯れで、ピアノの魅力を味わった。

SQのドビュッシーは、その前の演奏が良すぎて少し曇ってしまったが、EncではやはりそビュッシーのPf極をSQ版にした「亜麻色の髪の乙女」が、これも良かったね。



♪2025-083/♪みなとみらいホール-016

2025年6月18日水曜日

石田泰尚プロデュース サロンdeストリングスVol.1

2025-06-18 @みなとみらいホール



大宮臨太郎:バイオリン v
大宮理人:チェロ c
松岡あさひ:ピアノ p
------------------------------------
石田泰尚:バイオリン(特別出演)*


J.S.バッハ:<インヴェンション>から vc
クライスラー:シンコペーション vp
ファリャ(クライスラー編):スペイン舞曲 vp
サン=サーンス:く動物の謝肉祭>から白鳥 cp
メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第1番二短調 Op.49 vcp
------Enc--------------------
ロック(タイトル不詳)





みなとみらいホール第3代プロデューサーに就いた石田泰尚がプロデュースする弦楽合奏シリーズの1回目。といっても本人が出演するわけではない。

Pfトリオは石田組の3人だが、冒頭、シャイでおしゃべり苦手な石田があいさつとコンセプトをメモを読み上げて引き上げた。

中身は普通のピアノトリオのリサイタル。
2人ずつの組合わせで小品がまずは演奏され、メインはメン・トリだった。
大好物だが、物足りなかった。Vcがあまりにおとなしくて気分が乗らない。せめて終楽章、ガリガリ、ブリブリヤニを飛ばしてくれたら気持ちも治ったろうが、美しいだけでは良くないよ。

さて、本篇が終わって70分。既に予定は10分超過。
しかし、組長が来ているので出てこない訳にもゆくまい、と思っていたが、果たして、Encは全員上着を脱いだら、石田組のシャツだ。客席は大いに盛り上がって、何と言ったか忘れたが、ロックを演奏したが、面白くもない。

石田組は22年の5回公演を聴いて、客席の居心地が悪く世界が違うと思ったので、それ以降聴いていない。今回は、石田組ではなく、組長抜きの弦楽アンサンブルを楽しむつもりでセット券を買ったが、やはり、完売の客席は、もうおばさんばかりだし、メン・トリの1楽章の後に拍手が入るなど、まあ、和気藹々かよ。

臨太郎氏など、才能のある人だと思うけど、石田組なんかで遊んでいていいのかと心配するよ。

いやはや余計なことだけど。


♪2025-082/♪みなとみらいホール-15

2025年6月17日火曜日

MUZAランチタイムコンサート 6月 ギターとピアノが紡ぐヨーロッパの音風景

2025-06-17 @ミューザ川崎シンフォニーホール



ギター:斎藤優貴*
ピアノ:上下玲奈

タレガ:アルハンブラの思い出*
トゥリーナ:セビリア風幻想曲*
カステルヌーヴォ=テデスコ:ファンタジア Op.145
 Ⅰアンダンティーノ
 Ⅱヴィヴァチッシモ
フンメル:ギターとピアノのためのポプリ
-------------------------------
ラヴェル:マ・メール・ロアから第3曲「パゴダの女王レドロネット」
*ギターのみ



ギター&ピアノという珍しい組合わせ。
音の大きさが相当違うので、ギターの前にはマイクが立ててあった。
ピアノにはそばにモニタースピーカーが置いてあった(でないと自分の弾くピアノの音でギターの音は聴こえなくなるだろう)ので、まずはその収音用のマイクだろうが、それだけではなく、PAを使って客席に拡声していたように思うが…。

とにかく、ギターの音は明瞭だった。

どれほど名手なのかはさっぱり分からないけど、この斎藤優貴という人は、国際コンクールでの受賞数が日本人ギタリストとして最多の55なんだそうだから、ま、飛び抜けて優秀なんだろう。

最初の2曲がギターソロで、ギターの王道をゆくような作品だった。

後半にピアノを迎えて、作曲者の名前も知らないような作品が2曲。元々こういう楽器の組み合わせが珍しいから、作品も限られてくるのだろう。いずれも演奏時間10分というから、小品というには、骨のある作品だった。

やはり、2台とも弦をはじくか叩くか違うと言っても似たような表現になるのと音の大きさに違いがありすぎて、果たして音楽として成功しているのかなあ、と疑問も頭をかすめつつ聴いたが、終始、ギターの世界の王道を外さない潔さは心地良かった。


♪2025-081/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-07

2025年6月15日日曜日

都響スペシャル

2025-06-15 @ミューザ川崎シンフォニーホール



沖澤のどか:指揮
東京都交響楽団
フランク・ブラレイ/務川慧悟:ピアノ*

ビュッシー:牧神の午後への前奏曲
プーランク:2台のピアノのための協奏曲ニ短調 FP61*
ストラヴィンスキー:バレエ音楽《春の祭典》
---Enc---------------
プーランク:カプリッチョ FP155*





楽しみは「春の祭典」。それ以外はどうでも良かったけど、聴かない訳にもゆかない。「牧神〜」は好物だ。
でも、これにはがっかりした。肝腎要のFlの音色が最初から最後までぼんやりしていた。もっと明るく艶っぽい音色で誘惑して欲しい。拍手しなかった。そんな気になれなかった。
とは言っても、2曲目プーランクは過去何度か聴いて楽しめる作品だと知っているし、若手の2人のピアニストに期待して前向きに臨んだが、やはりこれは面白い。第2楽章のモーツァルトの引用は20番の協奏曲だ。これで気分を直して後半へ。

弦16型のビッグサイズに拡張して並んだオケは文化会館やサントリーよりも広いミューザの舞台でも目一杯という感じ。
この音楽、リズムさえ破綻なければ上手いも下手も分からないような音楽だが、今日の都響のまとまりの良さには驚く。いつもの都響とは一味違って繊細さも豪胆さも備えて、行き詰まるような緊張感を最後まで維持した。
のどかマジック⁉︎

今日は、完売だそうで、ホンに、客席はもうすずなりだった。久しぶりに都響に大満足したよ。

♪2025-080/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-06

2025年6月14日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第408回横浜定期演奏会

2025-06-14 @みなとみらいホール



小林研一郎:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
千葉清加:バイオリン*

モーツァルト:バイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
マーラー:交響曲第1番(巨人)ニ長調
-----------------------------
J.S.バッハ:無伴奏バイオリンのためのパルティータ第3版*
マーラー:交響曲第1番(巨人)ニ長調終楽章最後尾部分



日フィル定期に限らず、どのオケ定期でも席は1階の真ん中だ。しかし、今回は、振替でもないのに席が変わった。
2階席を買った友人が、1階の真ん中で聴きたいというので交代してあげた。僕もミューザ以外の2階席はもう10年近く座っていない。たまには2階(4列目の中央なので、
決して悪い席ではないし、1階よりこの辺が好きだという人も少なくないのではないか?)で聴いてみたくて交代した。

しかし、全然没入できなかった。

最初のモーツァルトVn協は弦が10型だったかな。それに管が6本という小編成で、それはいいのだけど、音がもうか細いのなんのって、悪いけど、千葉ちゃんのVnも蚊の鳴くような音だよ。こりゃ、もう音楽以前だ。よくこんな席で(S席なんだけど)聴いているなあ、と心底驚いた。

後半は流石にマーラーの1番だ。弦は16型に管打が並ぶだけ並びましたと言わんばかりの大所帯。Hr8本、Tp5本、Tb4本、Tympも2組。その他打楽器も多い。

それで、2階席にも十分届いたので、これはまずまず楽しめたが、それでも弱い。1階のいつもの席で聴いていたらどんなにすごかったか、と悔やむこと頻り。

もう2度と2階席はゴメンだ(ミューザを除いて)。



♪2025-069/♪みなとみらいホール-14

神奈川フィル クローズアップコンサートinかなっく


2025-06-14 @かなっくホール




[第一部]
Vn1東亮汰
Vn2桜田悟
Va池辺真帆
Vc長南牧人
◆ボロディン:弦楽四重奏曲第2番二長調

[第二部」
SoloVn東亮汰
Vn1横山琴子
Vn2桜田悟
Va池辺真帆
Vc長南牧人
◆ビバルディ:四季メドレー
◆シューマン(萩森英明編):子供の情景 作品15〜第7曲:トロイメライ
◆ドボルザーク(クライスラー編):我が母の教え給し歌
◆エルガー:愛の挨拶 作品12
◆シャミナード:スペイン風セレナーデ
◆クライスラー:前奏曲とアレグロ
◆エンニオ・モリコーネ(萩森英明編):ニュー・シネマ・パラダイス(愛のテーマ)
◆J.ウィリアムズ:シンドラーのリストから「追憶」
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モンティ:チャールダーシュ


東くん(中学2年)を初めて聴いた時のポスター

神奈川フィルのメンバーによる室内楽@かなっくは”ブランチ”ハーモニーと銘打ったシリーズが3年ほど続いていたように思うけど、なぜか、今年度から”クローズアップ〜”に変わったらしい。尤も第2回目は予定されているとは聞かないから、今回で立ち消えになるかもしれない。

なので、今後も定着するかどうかは分からないけど、今回は、神奈川フィルの弦4人にゲストとして東(ひがし)亮太クンが加わった。

前半は、彼がVn1を受け持つSQでボロディンの2番。
後半は、彼がSQをバックにSoloを受け持つポピュラー名曲集。

前半は、どうもしっくりこなかった。冒頭の旋律はVn2以下の3本で奏でられるが、その部分が分解しそうな気がしてたよ。Vn1が入ってからはだいぶ軌道に乗ってきたが、最初の不信感は長く尾を引いたな。

後半は、普段はPf伴奏の部分をSQに編曲し直した名曲集だが、こちらはとても良かった。東クンのVnが実に明瞭で美しい。バックに徹した感のあるSQの方も良い調和を見せていた。この5人の弦の響がとてもいい。

そこに感心しながら、満足して聴き終えた。

「雨の日はホールが良く鳴る」というみつばちの法則がピッタリ当たった。

♪2025-078/♪かなっくホール-08

2025年6月13日金曜日

バレエ「不思議の国のアリス」

2025-06-13 @新国立劇場




【指揮】デヴィッド・ブリスキン
【振付】クリストファー・ウィールドン
【音楽】ジョビー・タルボット
【美術・衣裳】ボブ・クロウリー
【台本】ニコラス・ライト
【照明】ナターシャ・カッツ
【映像】ジョン・ドリスコル/ジュンマ・キャリントン
【パペット】トビー・オリー
【マジック・コンサルタント】ポール・キエーヴ


【アリス】池田理沙子
【庭師ジャック/ハートのジャック】速水渉悟
【ルイス・キャロル/白ウサギ】李明賢
【アリスの母/ハートの女王】益田裕子
【手品師/マッドハッター】スティーヴン・マックレー
 (英国ロイヤルバレエ


バレエ:J・タルボット「不思議の国のアリス」
全2幕

予定上演時間:  約2時間50分
プロローグ・第Ⅰ幕 50分
  休憩 25分
第Ⅱ幕 30分
  休憩 20分
第Ⅲ幕・エピローグ 45分


英国ロイヤル・バレエ・シネマで1月に観て、素人目にも全く新しいバレエだなと印象深かった。

映画版も分かり易くて良かったけど、今日の舞台でやはり生の迫力には敵わないいな、と当たり前のことを実感した。

音楽がポップだ。ピットの中まではよく見えなかったが、オケの半分は打楽器だそうだ。なので、クラシックバレエの雰囲気とは全然違う。

舞台が凝っている。なにしろ「不思議の国」だ。アリスが大きくなったり小さくなったり、それをプロジェクションマッピングなどでうまく見せる。

大きな猫が登場するが、あの造形もユニークだ。何人で演じているのか分からなかったが、体がバラバラになるのも面白い。

バレエ自体も、多分、新しいのではないか。
何しろ、衣装がほぼ普通の衣装で、いわゆるチュチュは全く出てこない。男性もタイツ姿は不思議の国の兵隊などに限られる。バレエというより芝居を見ているような感じだ。

しかし、なんと言ってもバレエが美しい。いつも思うが、特に女性の一挙手一投足が磨き上げられていて美しい。
全3幕もあって、しっかり中身が詰まってCCを含めて3時間の、夢のような、くすぐったいような、時間だった。

バレエ公演はいつものことだが、圧倒的に女性が多いが、今日は、というか、この演目だからかもしれないが特に多かったように思う。因みに、僕が座った列と前の列の計40席中、男性客は5人だったと思う。

♪2025-077/♪新国立劇場-10



2025年6月11日水曜日

横浜交響楽団 第740回定期演奏会 【交響曲の楽しみ①】

2025-06-11 @県立音楽堂



鏑木蓉馬:指揮
横浜交響楽団

ハチャトゥリアン:組曲「仮面舞踏会」
ベートーべン:交響曲第3番変ホ長調 作品55「英雄」
------------------------------
ブラームス:ハンガリー舞曲第1番



◀️感想省略▶️





♪2025-076/♪神奈川県立音楽堂-07

2025年6月8日日曜日

クァルテット・インテグラ ベートーベン:弦楽四重奏曲全曲演奏会Vol.1

2025-06-09 @フィリアホール



クァルテット・インテグラ
 三澤響果:第1バイオリン
 菊野凛太郎:第2バイオリン
 山本一輝:ビオラ
 パク・イェウン:チェロ


ベートーベン:
弦楽四重奏曲第01番ヘ長調 Op.18-1
弦楽四重奏曲第16番ヘ長調 Op.135
弦楽四重奏曲第10番変ホ長調 Op.74「ハープ」



このメンバーは2回目で、前回もフィリアだった。
前回は、ハイドン、バルトーク、シューベルトで全部楽しめなかった。楽しめなかったのは、楽曲に馴染みが薄かったから。
で、今回は、ベートーベンの四重奏曲全16曲を1年に1回、全部で6年6回で演奏するという壮大な計画なので、これは乗ってみようと思ったが、最終回は2030年かい?生きているか、生きていても耳が役に立たなくなっているかもな。

やはり今回もあまり楽しめなかった。
30歳前後のグループだけど、地味な感じで、遊びというか、ゆとりというか、もう少し抜けていてもいいのではないかと思いながら窮屈なベートーベンを聴いていた。

今日は、1番、16番、10番だったので、もうこれでベートーベンSQの最初と最後と真ん中を聴いたので、全曲聴くこともないかと思ったよ。


♪2025-075/♪フィリアホール-03

2025年6月7日土曜日

NHK交響楽団2039回A定期 06月公演

2025-06-07@NHKホール



フアンホ・メナ:指揮
NHK交響楽団
ユリアンナ・アヴデーエワ:ピアノ*

リムスキー=コルサコフ:歌劇「5月の夜」序曲
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 作品43*
チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調 作品74「悲愴」 
--------------------------
チャイコフスキー:18の小品作品72-第5曲「瞑想曲」*





フェドセーエフの病休による代理がフアンホ・メナ。悪くはなかったけど、できたらフェドとアヴデーエワで聴きたかったよ。

リムスの5月の夜序曲は全然良くない。冒頭のオーケストレーションが悪いのでは?
チャイコ6番も最近(5番も)楽しめなくなった。
アンサンブルが、さすがはN響というところがなかった。
マチネの日フィルの方とどっこいどっこいかな。

しかし、2番手だけは別格官幣大社だよ。
アヴデーエワが下手袖から一歩登場しただけで、客席は引き締まる。もう全員の関心を一手に攫った。

演奏中も超絶技巧を弾きこなしながらオケに気配りして一緒に音楽を作っているのが分かる。

終演後のステージ態度も好ましい。大物の貫禄を漂わせながらも愛想が良くてつい惹き込まれてしまう。

まあ、彼女を聴いただけで十分だったな。

ところで、今日の演奏はBS4Kで生放送だった。もちろん録画しておいたので、帰宅後再生すると、音もいいし、アンサンブルも纏まっている。

音楽は”生でなくちゃ”主義だけど、最近はTVの音もすごく進歩したので、時には、生でがっかりして帰るより家でTVなどで鑑賞した方がいいと思える場合も増えてきたよ。

だんだん老化が進んでいるのかもな。


♪2025-074/♪NHKホール-05