2024年11月28日木曜日

新国立劇場オペラ「ウィリアム・テル」 <新制作>

 2024-11-28 @新国立劇場




【指揮】大野和士
【演出/美術/衣裳】ヤニス・コッコス
【アーティスティック・コラボレーター】アンヌ・ブランカール
【照明】ヴィニチオ・ケリ
【映像】エリック・デュラント
【振付】ナタリー・ヴァン・パリス

【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

ギヨーム・テル(ウィリアム・テル)⇒ゲジム・ミシュケタ<22年椿姫>
アルノルド・メルクタール⇒ルネ・バルベラ<20年セビリアの理髪師/21年チェネレントラ/22年N響ヴェル・レク>
ヴァルテル・フュルスト⇒須藤慎吾
メルクタール⇒田中大揮
ジェミ⇒安井陽子
ジェスレル⇒妻屋秀和
ロドルフ⇒村上敏明
リュオディ⇒山本康寛
ルートルド⇒成田博之
マティルド⇒オルガ・ペレチャッコ<17年ルチア/18年N響カルミナ・ブラーナ>
エドヴィージュ⇒齊藤純子

狩人⇒佐藤勝司


ジョアキーノ・ロッシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」<新制作>
全4幕〈フランス語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約4時間35分
第Ⅰ幕
 75分
 --休憩30分--
第Ⅱ幕
 55分
 --休憩30分--
第Ⅲ・Ⅳ幕
 85分




序曲は聴く機会が多いけど、オペラ本編は放映・ビデオでも観たことがない。
実際、滅多に上演されないと思う。

歌唱技術の難しさ、合唱・バレエに大勢が必要、何より長くて、正味4時間というから、2度の休憩を挟むと拘束5時間だ。ワーグナー並だよ。
そんな理由で上演されないのだろう。
でも、今回初めて観て、それだけじゃない。面白くないというのも重要な理由だろうと思った。

そういうこともあってか、新国立劇場が新制作した今回の作品も、少し端折ってあったかもしれない。

まあ、とにかく長く、話が分かりづらく、深刻な話なのだからバレエの出番などなくともいいと思うが、そこそこに用意してある。これが緊張を削ぐ。


演出家の記したものには、ロッシーに最後のオペラ作品である本作は「音楽における自殺」と評されることがあるそうだ。その正確な意味は分からないが、実際、それまでのロッシーに作品のような面白さ、分かり易さ、軽やかさがない。

どうも、失敗作ではなかったか、とど素人の僕は思うのであります。

余談ながら、日本で初めて本舞台形式で上演したのが藤沢市民オペラだそうだ。アマチュアだからこそ経費の面でもチャレンジできたのだろうな。

♪2024-163/♪新国立劇場-12

2024年11月26日火曜日

午後の音楽会 No.169 大宮臨太郎 弦楽三重奏リサイタル

2024-11-26 @リリスホール


大宮臨太郎:バイオリン
坂口弦太郎:ビオラ
山内俊輔:チェロ

ベートーベン:セレナーデニ長調 Op.8 から
ドホナーニ:弦楽三重奏のためのセレナードハ長調 Op.10
J.S.バッハ(D.シトコヴェツキー編):ゴルトベルク変奏曲 BWV988
*プログラムでは「ゴルドベルク」と表示。



先日、横浜弦楽四重奏団@みなとみらい小を楽しんだばかりだが、今日の大宮臨太郎ほかN響メンバーの弦楽トリオを聴いて、目から鱗、耳から?で彼らのレベルの高さに驚いた。

まずは、それぞれの発音が明瞭で美しい。それが重なると別格の響となる。これをかぶりつきで聴く幸せ。リリスはホンに良いホールだ。

ドホナーニは初聴きで、音楽としてはベトとバッハに囲まれては居心地悪そう。

後半がバッハの大曲「ゴルトベルク変奏曲」の弦楽トリオ版。これは初めて聴いたが、最初は気持ちの中で摩擦があったが、いつの間にか違和感が無くなって、非常にスリリングな音楽だった。


♪2024-161/♪リリスホール-02

2024年11月4日月曜日

プロースト交響楽団 第40回定期演奏会

2024-11-04 @ミューザ川崎シンフォニーホール



石川征太郎:指揮
プロースト交響楽団

エルガー:エニグマ変奏曲 作品36
ブラームス:交響曲第2番二長調 作品73
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ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲からフィナーレ



このアマオケを聴くのは4回目@ミューザで、前回は2016年だった。
ずいぶん間が空いたが、多分会場がミューザではなかったので気がつかなかったのだと思う。

過去3回聴いて、いずれもオケは超特大で、今日も弦の編成は15-14-14-9と変則だが大きい。
過去はコンバスが10本並んでいたのを覚えている。

それが演奏に発揮されたか?

実は、JRのダイヤの乱れで開演に間に合わず、前半は聴いていないのでどんな出来だったか分からない。
後半ブラームス2番とEnc(これもブラームス)を聴いた。

これがどうも、良くなかった。

以前は3回とも感心する出来だったが、今回のブラームスは手強かったようだ。
確かに、プロオケでも、冒頭の短い楽句を各パートに受け渡すところは、よほど緊張感を維持できないとバラバラに聴こえてしまう。今回は、その陥穽に落ちたのではないか…と思った。
Encも同じでざわついたまま、終わった。

♪2024-148/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-13

2024年11月2日土曜日

全国共同制作オペラ プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」

2024-11-02 @ミューザ川崎シンフォニーホール




井上道義:指揮
森山開次:演出/振付/美術/衣裳

管弦楽:東京交響楽団
合唱:ザ・オペラ・クワイア
児童合唱:世田谷ジュニア合唱団
バンダ・ペル・ラ・ボエーム

ミミ:中川郁文
ロドルフォ:工藤和真
ムゼッタ:イローナ・レヴォルスカヤ
マルチェッロ:池内響
コッリーネ:松中哲平
ショナール:ヴィタリ・ユシュマノフ
ベノア:晴雅彦
アルチンドロ:仲田尋一
パルピニョール:谷口耕平
ダンサー:梶田留以、水島晃太郎、南帆乃佳、小川莉伯

プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」
全4幕/イタリア語上演/日本語・英語字幕付き/新制作

予定上演時間:約2時間40分
第1/2幕  70分
---休憩    25分
第3幕     30分
----休憩  20分
第4幕     30分



ミューザでの上演は、演奏会形式を超えたかなり本格的な舞台だった。コンサートホールでもこのような形でオペラが上演可能であることは、県民ホールや文化会館が休館中でも、演目の制限はあるにせよ上質の舞台を提供できることを示しており、大いに評価できる。特に2幕では、多くのキャストが舞台に
登場し、賑やかな演出は新国や日生も顔負けだ。

しかし、一部の観客にとっては鑑賞環境が問題となった。僕は1階前方列の中央席を購入したが、客席の最前列から4列がオケ・ピットとして使われ、加えて前2列の中央席が非売席だったので、実質最前列状態。
その結果、ミッキーの背中は我慢できるとしても、楽譜照明がまぶしく、特に指揮台の光が強力で鑑賞に集中できなかった。
1階席だけでなく2階以上でも指揮台の照明は邪魔になったのではないか?

このような問題は事前に確認すれば解決できたはずであり、スタッフは準備不足だ。また、チケット販売時に非売席売却済みを明示する配慮も欠けていた。

ダンスの挿入も大いに疑問。
劇の流れを妨げ、集中を削ぐ一因となった。

歌唱は、池内マルチェッロのよく通る声が素晴らしい。工藤のロドルフォは3回目で安心感。中川ミミは初聴き、まずまず。ムゼッタ、いまいち。

♪2024-147/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-12